安全への取組

はじめに

どんなにいいツアーであっても、どんなにいい体験であっても、事故が起きてしまっては意味がありません。
屋外での活動である以上、事故が起きる確率はゼロではありません。また、ガイドもロボットではなく人間であるため完ぺきではありません。
よって、私が真っ先に取り組まないといけないことは安全への取組みとその自覚を持ち続けることです。

自然の中へ案内する人として「安全管理」・「自然環境保全」・「第三者への配慮」の三原則について常に自覚を持ち、安全管理責任者として安全への取組こそ最も重要なサービスであることを認識し、自分を戒めるためにここで公表させていただきます。

私は「事故が起きたときの対応」すなわち「安全管理」、および「事故を起きないように、また起きても被害を最小限に抑えるために事前の対策」すなわち「安全対策」について取組みを行います。
この中で、最も重要視することは、「事故をおきないように」することで「事故が起きる可能性を限りなくゼロにする」「安全対策」への取組みです。

安全管理について

「安全管理」については、アクシデントが発生して傷病者が出たときの「セルフレスキュー技術」の習得です。
症状を悪化させないために行う応急手当ては、119番通報し専門的な治療が受けられる医療機関などにバトンタッチするまでの間に行う一時的な医療措置です。
私自身、消防や山岳会主催の講習会に参加したり書籍等からの情報を習得することで、ある程度の知識を有しているものと思われますが、完璧に習得しているとは思っていません。
それは、そのような事態に陥ったことがなく、記憶も少しずつ薄れていくからです。
よって、次のような行動をとります。

  • 消防や山岳会、赤十字社などが主催する応急手当講習会に継続して参加すること。
  • ファーストエイドキットは必ず持ち歩くこと。
  • アクシデントが発生したときのフローチャート図を作成し、必ず持ち歩くこと。(このフローチャートの作成は、次で述べる安全対策の一環でもあり)

2021.7.3 赤十字講習会(救急法基礎講習)を受けました。

安全対策について

次に「安全対策」については、事故を起こさないようにすることであり、事故が起きる可能性を限りなくゼロにするための事前の対策を講じることです。また、事故が起きても被害を最小限に抑える対策も必要となります。
最重要事項として取り組む必要があると考えています。

事故を防ぐ安全対策

ガイドが同行するもの

基本的事項

①必ず現地踏査(下見)を行い、危険箇所、時間的配分の確認を行うこと。

②ガイド中は、常に現場状況(危険箇所等)の把握と参加者の行動及び体調を把握するように努めること。

③危険の存在を説明し、注意喚起すること。

④歩行速度と休息について適切な判断に努めること。

⑤参加者の持ち物・装備、歩行能力、健康状態等を的確に把握し、過度に疲労させないこと。

⑥日本山岳ガイド協会では、ガイド対顧客標準人数比率を1日の歩行時間4時間までの自然観察やハイキング登山では1人:15人、1日の歩行時間5時間までの初級者登山では1人:12人、1日の歩行時間6~8時間の中級者登山では1人:10人としており、このツアーはハイキングであるため原則として1人:15人とする。また、親子で自然遊び系も1人:15人とする。案内人が2人以上となるときは、その比率の範囲内とする。

⑦原則として登山道は一般ルートを使い、高度な技術を要するルートは使わないこと。

⑧継続してロープワークの技術を演習し、忘却することのないように努めること。

危険因子ごと

①地形的危険因子(滑る、転ぶ、落ちるなど) 対策:危険箇所の注意喚起をすること

②参加者の体調などの人為的危険因子 対策:受付時の体調把握と行動中の体調把握に努めること

③危険な動植物の危険因子(毒蛇、蜂、毛虫、漆など) 対策:現場状況を把握するように努めること

④台風や大雨など気象や気温に対する危険因子 対策:気象庁発表の気象や高温情報に常に気を配ること

ガイドが同行せずに参加者自らの意思で行動するもの

基本的事項

①Web上や商品として渡すものへ注意喚起文を挿入すること。

危険因子ごと

①市街地を中心に歩くことから、交通事故的危険因子 対策:注意喚起

②紙を見ながら歩く「ながら歩き」の危険因子 対策:注意喚起

③台風や大雨など気象に対する危険因子 対策:気象庁発表の気象情報に常に気を配ること

事故が起きても被害を最小限に抑える安全対策

共通

①ハイクツアーについては、アクシデントが発生したときのフローチャート図を作成し必ず持ち歩くこと。

②ハイクツアーについては、参加者の緊急時連絡先を把握すること。

最後に

これら「安全管理」と「安全対策」については、随時見直しを行っていきます。

2021.6.2 一部見直しました