人の歓声が消えた海岸はひっそりと静まりかえり、なんだか寂しそうでした。
夏が終わるのだなと、ふと感じた瞬間です。
あんなに暑くて早く涼しくならないかなと思っていたのに、夏が終わると思うと哀しくもあり淋しくもあり複雑な気持ちになります。
四季の移ろいの中で特別な淋しさを感じるのが夏の終わりです。
秋の終わりも淋しさを感じますが、それとはまた違う感情を抱きます。
きっと夏はいろんな思い出があって、一番素敵な季節なのだと思います。
自転車旅やバイク旅、友人たちとのキャンプ、夏山、、、
いろんなことに挑戦できた夏、いろんな思い出が心の中をかき乱します。
大学生のときに高校からの友人たちとキャンプに出掛け、海岸で聞いたあの曲、山下達郎の「さよなら夏の日」。
さよなら夏の日 いつまでも忘れないよ
雨に濡れながら 僕等は大人になって行くよ
友人たちと夕陽を見ながら大合唱したことが、昨日のことのように鮮明に記憶に残っています。
将来の夢や心の奥に眠るものを語り合い、未来への希望を抱き、そして初めて“友”と呼べる存在に出会えた瞬間でした。
巡る全てのもの 急ぎ足で 変わって行くけれど
ほんとに急ぎ足に時が流れ、あっという間にこの歳になりました。
あの時に語った将来の自分になれているのか。
何を語ったか覚えていない今となっては分かりませんが、何か大切なものをどこかに置いてきたのかもしれないと思うことがあります。
もう二度と帰ってくることのない日々のことを思うと、大切なものが隠されているとしか思えません。
新しい人生を踏み出し、大きな不安と向き合いながら生きている日々の中でその想いは強くなっています。
でも、新しい人生を踏み出したからこそ見えてくるもの感じるものが多大にあることも事実です。
少しずつしか進んでいませんが、自分にとっては本当に価値のある一歩を踏み出せたと思います。
夏が終わる、、、
言葉では語ることができない感情が、心の中にあることを教えてくれます。
私は、、、
大人になれたのだろうか。