聖域の雰囲気に包まれた福王寺山に登る

福王寺山は広島市の安佐北区にある山で、山頂は三角点のある495.9mの場所。

と思っていましたが、実は山頂はそこではありませんでした。

国土地理院地図にも三角点のある場所が福王寺山と記載されていますし、そこに頂上標識もあるので勘違いしていました。

標識に惑わされた

標識があれば信じますよね。

実は、その三角点より東にある標高500mを超えるピークが本当の福王寺山の山頂だそうで、私も最近まで知りませんでした。

そこは、三鬼堂のある場所で周囲は木々に覆われた場所。

三鬼堂とは三鬼神を祀っているお堂で、この鬼の神を祀っている場所は宮島弥山と三瀧寺にもあります。(松笠山の松笠観音寺にもあったが焼失)

いずれも真言宗のお寺で、三鬼堂の本家本元は弥山大聖院。ここは離れた所から拝むための遥拝所。

三鬼大権現を祀る

さて、そんな福王寺山ですが、実は福王寺の近くまで車で行けるので車で行ってしまうと山頂まではあっという間に到着してしまいます。

駐車場の標高が約350mなので150mほど登れば山頂です。そして、距離は金亀池(きんきいけ)に寄り道したとしても片道約1.3kmしかありません。時間にして30分ほど。

また、どうせなら三角点のある場所にも行くのでしょうが、そこには人工の建物があり、そこまで眺望に優れているとも思えません。何より、山に登った感はまったく感じません。たぶん、普段着でも登れてしまう山です。

三鬼堂から三角点の稜線がなかなか気持ちいい
三角点から。当時は建設中

なので、福王寺山に登りに行くというよりは、福王寺にお参りしたついでに裏山に登ってみたと思ったほうがいいです。

それは、福王寺が聖域に包まれた雰囲気を醸し出すお寺だから。広島に住んでいるのであれば一度は参拝しておいた方がいいお寺だと思っています。

福王寺は811年に弘法大師空海によって開基されたと伝わるお寺で「安芸の高野山」とも呼ばれる真言宗の古刹です。

荘厳で重厚な金堂

最盛時には霊山勝地の道場として山上12、山麓48の坊寺を連ねるまでになっていましたが、今では衰退しています。

しかし、だからこそ聖域に包まれた雰囲気を醸し出しているのかもしれません。

最近は観光客目当ての商売をしているお寺がなんだか多くて・・・。

入場料を取ってのライトアップにプロジェクションマッピング…。なんかスッキリしません。

福王寺仁王門

山の中を歩いていると突如として現れる重厚な仁王門。そして、樹齢数百年の燈明杉。

圧巻の燈明杉

「こんな山の中にこんな荘厳なお寺が」ときっと誰もが思うことでしょう。

本当にいいお寺です。

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登山口

登山口は私が知る限りでは、可部の福王寺口(不動坂参道登山口)と亀山の観音坂参道登山口、そして南原の大師坂参道登山口に綾ケ谷の阿弥陀参道登山口にもう一つ不明の登山口があります。

北側の登山口

いずれも参道という名が付いているので、かつての参道?ですかね??

福王寺口や観音坂参道登山口をよく利用します。というか、南原や綾ケ谷から登ったことはありません。

登山口までのアクセスは公共交通機関を利用するのがいいです。いずれの登山口も近くにバスが走っています。ただ、南原や綾ケ谷は便数が少ないかな。

福王寺口や観音坂参道を利用するのであれば、JRの駅からでも徒歩圏内です。

なお、駐車場は登山口にはありませんので、コインパーキングを利用しましょう。

登山ルート

登りも下りも同じルートだと面白くないので、公共交通機関を使って2つの参道を歩くルートがおすすめです。

不動坂参道と観音坂参道がバスやJRの便数も多いので、この2つのルートを歩くのがベスト。

ガイドブックにはよく福王寺口からのルートが紹介されているので、福王寺口(不動坂参道)から登って、帰りは観音坂参道で下るといいです。

どちらのルートも途中に展望のいい場所があるのでおすすめ。特に観音坂参道の中腹にある展望広場からの眺望は素晴らしかったです。

不動坂参道
不動坂参道展望台から
観音坂参道
観音坂参道展望広場から

そして、何といっても福王寺が素晴らしいです。境内は広く、見所の多いお寺。ゆっくり時間を掛けて回るといいです。特に金亀池は必見です。紅葉の時期はきっと美しいでしょう。

池には祠が合って厳島だそうです

そして、見終わったら裏山に登ってみる。

そんな感じですかね。

いにしえの人々も歩いた参道、ぜひ歩いてみてください。

※注意事項
登山ルート等の内容については、誤解や虚偽のないものであるよう努めていますが、経年変化や、災害による一時的な変化によって、記載された状況が変わっていたり、解釈に見解の相違が生じたりすることがあります。山行の際には、ご自身でも最新の情報を収集してください。
また、記事中の地図は国土地理院地図(ベースマップ)を当運営者が加筆加工したものです。

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