千年以上の歴史あり・原生林が残る極楽寺山は登りごたえのある山

広島で登山初心者におすすめの山は廿日市市にある極楽寺山です。

極楽寺山は極楽寺という名のとおり、古くから霊山として登られている山で山頂直下には樹齢五百年以上にも及ぶモミやカシなどの原生林があり、瀬戸内海国立公園になっています。
若干歩く距離も長くて標高差もあるので、初登山にはちょっと厳しいかもしれませんが、登山初心者のかたのレベルアップにはおすすめの山です。
頑張って登れば登れない山ではないので、ぜひチャレンジしてみてください。

多くの登山者が登っているため、正規ルート(平良コース)の登山道はしっかりしていて迷うところもありません。
廿日市駅からもアクセス可能で、平良登山口まで若干歩きます(約1.5km・約20分)が近い部類です。
ただ、この平良登山口から山陽自動車までの登山道が現在通行止め(R5.5時点)となっています。
廿日市駅から登山口(佐方又は宮島SA)までは結構歩くことになるので、電車で行くことは難しい山となりました。

この極楽寺山、正規の登山道以外にも数多くの登山道があります。
高圧線の巡視路や中国自然歩道、牛池林道と荒谷林道があることから、これを利用した道がまるで迷路のように張りめぐらされています。
奥が深いのと同時に迷いやすい山といえます。

極楽寺山の山頂には三角点もなく眺望もないので、展望広場のある極楽寺が目的地でもいいのかもしれません。
極楽寺は731年に行基によって開山し、後に聖武天皇が建立したと伝えられている千年以上の歴史を誇る古寺です。また、本堂は1562年にあの毛利元就によって再興されていて県の重要文化財に指定されています。

山頂に行くのであれば、蛇の池さくらの里へも足を延ばしてみましょう。
蛇の池は、季節により色々な表情を見せてくれます。夏でも少し涼しいです。
ベンチも多く設置されているので、休憩する場所としては最適です。
また、さくらの里は四方を山に囲まれているため、静寂に包まれています。ぜひ訪れてみてください。

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位置

広島市の西方にあって、佐伯区と廿日市市の境界付近にあります。

極楽寺山の位置図

登山口

代表的な登山口は「平良」になりますが、この平良登山口から山陽自動車までの登山道が現在通行止め(R5.5時点)となっています。平良丘陵地の開発事業によるものなので、この間の登山道は廃止となるのでしょう。
電車で行く場合は廿日市駅から平良登山口まで舗装路を歩き、そこから登っていましたが、電車で行くことができない山になりそうです。
さすがに、廿日市駅から佐方登山口や宮島SA登山口まで歩くのは遠いかな。
山陽自動車道の宮島SA付近に車を置ける場所があるので、車で行くしかありません。

また、「屋代登山口」も数台車が置けるので、ここから登る人も多いです。
歩く距離が短いですが、若干急登が多いです。

極楽寺山登山ルート

そして、運動公園の上に駐車場がある「倉重登山口」も登る人が多いです。
ここから登ると蛇の池、さくらの里にも行きやすいです。
巡視路を利用した様々な道があるので、小杉山を目指したり、牛池を目指したりといろんなコースを組み合わせて歩けます。
そう、上りと下りを違うルートで歩けるのでかなりおすすめ。
中国自然歩道もなかなかいい道で、ここを歩くだけでも癒されます。

極楽寺山登山ルート

平良登山口が通行止めとなったことから、宮島SA登山口、屋代登山口、倉重登山口の3つが代表的な登山口です。

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登山コース

ここでは昔の参詣道の面影を残す廿日市の平良からの登山コースを紹介します。
その他のルートについては、あまりにも多い…。

極楽寺山登山ルート

廿日市駅の北口です。新しくなって、駅前ロータリーも綺麗に整備されています。

廿日市駅北口

西広島バイパスのガード下をくぐります。一応、標識があります。

西広島バイパスのガード下

登山口です。迷いそうですが小さな看板があります。
ここを登っても民家があるので、どこに行けばいいのかちょっとわかりにくいです。
(R5.5現在 通行止め)

極楽寺山の登山口

登山道に入ると、多くの人が歩いているためしっかりしています。さらに、尾根上の一本道なので迷うところはありません。
ただ、樹林帯の中を歩くので展望は一切ないですが…
(R5.5現在 通行止め)

極楽寺山の登山道

途中、展望が開けると山陽自動車道の架橋が現れ、渡って急な坂を登ると宮島SAからの道と合流します。

極楽寺山登山道高速道路高架橋

そして、途中急な登りもありますが、登山口から登ること約1時間で唯一の絶景ポイントに到着です。
極楽寺にある展望地よりこちらのほうが眺めがいいので、ここで一息入れましょう。

極楽寺山登山道にある展望地

急登の上りも原からの登山道と合流すると緩やかな道へと変わります。
613mピークの山を巻いて歩くからなのですが、この613mピークの場所にはかつて山城がありました。
その名は「星ヶ城」。いい名ですよね。城主は誰なのか、年代はいつなのか、すべてが不明だそうです。
ただ、城の遺構らしきものは残っているとのこと。興味がある方はぜひ藪をかき分けて登ってみてください。

また、ここら辺りからが極楽寺山の原生林です。うっそうとしていますが、ひんやりと涼しさを感じ空気が変わったことを体感できます。

そこから歩いていくと、五日市の屋代登山口や佐方登山口方面からの道と合流します。
合流地点にある階段を登ると極楽寺の入り口、三十六丁の仁王門がでーんと現れます。

極楽寺の仁王門

そこからあともう一息の石段を登れば極楽寺です。
右手に展望台があるので、一息入れましょう。木の成長に伴い年々眺めが悪くなっていますが、登頂を実感できる場所です。

極楽寺の展望地からの眺め

時間があれば極楽寺境内を散策してみましょう。奥の院と呼ばれる場所へ足を伸ばしてもいいです。毛利家の家紋を随所に見ることができます。

極楽寺

極楽寺山の山頂に行かれたい方や時間に余裕のある方は、遊歩道が整備されているので、蛇の池やさくらの里までの周遊をおすすめします。

極楽寺山憩いの森の散策ルート

山頂の展望広場です。
展望広場と呼ばれていますが、展望はまったくありません。
昔はかなり展望があったと聞いていますが...。

極楽寺山山頂展望広場

蛇の池です。6月下旬ころから7月下旬にかけて赤や白のスイレンが咲き誇り、夏はひんやりとしていて涼しい場所です。真冬には凍ることもあり、幻想的な雰囲気になります。

極楽寺山蛇の池

さくらの里です。
本当に静かなんです。
さわやかな風が体を吹き抜け、鳥の鳴き声が響き渡るこの地はまさに別天地です。

廿日市市さくらの里

電車で来たのであれば帰りは五日市方面へ下りてもいいです。
「観音登山口」か「屋代登山口」へ下りてバスに乗れば、五日市駅へ帰ることができます。
「屋代登山口」へ下りて1.7kmほど歩くと「広島工大上」のバス停があります。
「観音登山口」であれば、1.1kmほど歩いて「観音台入口」バス停です。

極楽寺山登山ルート

廿日市駅⇔極楽寺:往復約11.3km・歩行時間のみ往復3時間30分
極楽寺⇔極楽寺山⇔蛇の池:往復約2.5km・歩行時間のみ往復約45分
蛇の池⇔さくらの里:往復約1.4km・歩行時間のみ往復約30分

※文中の地形図は、地理院地図(ベースマップ)を元に当運営者が加工したもの

※注意事項
登山ルート等の内容については、誤解や虚偽のないものであるよう努めていますが、経年変化や、災害による一時的な変化によって、記載された状況が変わっていたり、解釈に見解の相違が生じることがあります。山行の際には、ご自身でも最新の情報を収集してください。