地形図で沢と尾根は表裏一体の存在

尾根道は、周囲より高い場所にあるため基本的には明るくて見通しが利いてます。

樹木の密度が濃い樹林帯の中などでは尾根かどうかが分かりにくい場所もありますが、基本的には尾根道のほうが沢沿いの道より明るくて展望がいいと言えます。

尾根道は周囲より高く明るいため、なんとなく分かる
逆に沢沿いの道は、なんとなく薄暗い印象

だから、自分は今、尾根道を歩いているのか尾根から外れた道を歩いているかは意識するとすぐにわかると思います。

しかし、樹木の密度が濃い樹林帯の中を歩いていると、どっちなのか分かりにくい場合もあります。

そんなときは、地形図を見ると一発で分かります。

でも、尾根と沢を地形図で確認すると、あることを意識しないと尾根か沢かすぐに見失ってしまいます。

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等高線で表される尾根

地図上の尾根は、「ピークから沢へ向かう」「周囲より高い」ということから、等高線はピークから外へ向けてふくらんでいます。

逆に沢を示す等高線は、ピークに向けて内側へ食い込んでいます。

両者は、何もかもが裏返しであるために混同しがちです。

沢から見ると、尾根は内側に食い込み沢は外へふくらんでいるからです。

オレンジ色が尾根、水色が沢(谷)

上の図はオレンジ色が尾根、水色が沢(谷)を表していますが、それはピークと本沢の位置関係が分かっていることが前提となります。

もしもピークと本沢の位置関係が分からなければ、オレンジ色が沢(谷)で水色が尾根とも見れます。

このようなことから、尾根と沢(谷)は表裏一体であるといえるのです。

3D図。膨らんでいるのが尾根です。尾根は一本のラインで膨らんでいるのが分かります。

だから、地図ではまずピークと沢の位置関係を確認することが前提となります。

どこが標高が高くて、どこが低いのか。

平面図である地形図を、立体的に想像する感じでイメージする必要があります。

尾根上にある現在地把握ポイント

尾根は、周囲より高い場所にある、ピークから沢へ向かって延びるひと続きのラインです。

そのピークから沢へ向かって延びるひと続きのライン上に小さなピークがあったり、またはピークとピークの間に必ずあるコルがあったりします。

その小ピークとコルは現在地把握の格好のポイントです。

それは、誰もがピークに立ったとき、そして誰もがコルに下りたときには、そこがピークまたはそこがコルであると必ず分かるからです。

その位置を地図上で確認できれば、地図上における現在地は間違いなく把握できます。

青色の点線丸はコル

尾根のラインは沢に向けて細かく分岐しながら小さくなり、やがて沢へ落ち込んで消えていきます。

だから、尾根道を下りで使うと分岐が多くなり支尾根に迷い込みやすく、沢は下方に向けていくつもの沢を集約しながら大きくなっていくため、下りでは迷いにくいと言えます。

登りはその逆となります。

オレンジ色が尾根、水色が沢(谷)

でも、視界が広い尾根道を下りで使いたいと思うのは私だけではないはず。

それは、基本的に足元を見ながら歩くことが多いからです。

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机上での練習

地形図を印刷して、上図のように等高線を見ながら尾根のラインに線を描く、また沢のラインに線を描く。ピークやコルを記入してみる。そんなことをするのもなかなか面白いです。

山の地形を表現する要素は、「ピーク」「尾根」「沢(谷)」の3つしかありません。

等高線でどう表現されているのか、地形図を眺めているとなんとなくわかるようになります。

そして、平面的な地形図が頭の中に立体的な地形として浮かび上がってくるようになります。

地図が苦手な人でも地形図を印刷し、眺めるだけでもしてみてください。

特に難しいことではありません。

地形図の印刷は、国土地理院のHPが便利で使いやすいです。

※記事内の地図は、地理院タイル(ベースマップ)を元に当運営者が作成したものです

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