絵下山は、広島市東部の矢野町と坂町の境にある山です。と、よく紹介されていますが絵下山の山頂は境にはなく広島市の安芸区にあります。
山頂付近は絵下山公園として整備され、山頂付近まで車で上がれるので山に登らなくても訪れることができる山です。山頂からの眺めより、展望広場からの眺めが素晴らしく、広島市中心部と広島湾が一望できます。昼間の眺めもいいですが、夜景が特に綺麗です。海田大橋や広島南道路がアクセントとなってなかなか見応えがあります。
ということなので、絵下山は登山の対象としてではなく、広島の夜景スポットとして有名な山となっています。
登山ルート
そんな絵下山への登山ルートはいくつかありますが、平成30年の7月豪雨災害によりいたるところの登山道が通行止めとなっています。なので、ここでは呉市天応にある天狗城山から絵下山へ登り、明神山を経由して坂町へ下山するルートを紹介します。
絵下山公園登山口や矢野天神から登るルートについては、広島市安芸区のHPを参照してください。
このルート、なかなか展望に優れるルートですが、さらに展望に優れるルートとしては天狗城山から絵下山へ向かわずに坂町の天地峠をとおり、坂町の遊歩道に出て天狗岩、せんこう頭部、頭部みはらし公園を歩くルートもあります。
個人的にはこのルートのほうが安芸アルプスと名付けたほうがいいのではと思うぐらい眺望に優れています。
スタートはJR呉線の呉ポートピア駅からで、帰りは坂駅から帰るJR利用です。車だと呉ポートピアパークに無料の駐車場?があるみたいです。
さて、呉ポートピア駅から10分ほど歩くと天狗城山登山口に着きます。広島呉道路の高架下をくぐると大きな看板があるのですぐ分かります。
ここから造られた階段を登っていき、登りきると山道へと入ります。しばらくゆるい坂道を登ると奇岩に着き、ここからが岩場の急登です。
ただ、展望が開け、随所に景色がいい場所があるのであっという間に天狗城山に着きます。
ここから一旦下り、中天狗山へ向けて登り返します。若干急登ですが、これを登りきるとあとは快適な稜線歩きです。さらに途中から中国自然歩道の道になるので、増々快適な道へと変わります。
小松尾山を経由し、通行止めとなっている小屋浦分岐と二艘木分岐を通り過ぎ、登り返すと市光山です。
そこからしばらく進むと砥場遊歩道との分岐が現れます。左に進むと天地峠を経由して坂町遊歩道へと行けます。結構な荒れ道で急しゅんな箇所もあるので注意が必要です。
絵下山へはそのまままっすぐ進みます。子ノ岳へ登ると絶景ポイントがあるので立ち寄りましょう。
絵下山展望広場からの眺めよりこちらのほうが街が近くに見えるので、個人的には好きです。
そこから一旦かなり下りますが、登り返すと絵下山の展望広場です。絵下山の山頂よりこちらの方が展望に優れるので、ここまで登れば絵下山へ登ったのと同じです。特に絵下山山頂へは行かなくてもいい気がします。
ただ、やはり子ノ岳からの眺めのほうがいいかなと。
ついでに巨大なアンテナ塔を見に行ってみましょう。目立つのでどこからでもあれが絵下山とわかるあのアンテナ塔です。展望広場から歩いてすぐの場所にあります。
中には入れませんが、外から見ただけでもかなりの大きさ。ここからの展望もなかなかいいです。
下山はまず明神山を目指します。案内標識があるのでそれを頼りに進めば問題ありません。ただし、明神山を過ぎると急な下りとなるのでゆっくり下りましょう。
矢野ニュータウン団地への分岐をいくらかやり過ごすと高尾山城跡に着きます。東屋もあって綺麗に整備されています。眼下に広がる街が、一気に近くなりました。
ここからは、坂町が天神道見晴らし遊歩道として舗装した道を歩きます。
八幡神社へ降りると坂駅へは歩いて10分です。
天狗岩とせんこう頭部を通るルート
もう一つのルート、天地峠を通るルートです。
絵下山へ向かう道との分岐から結構な荒れ道(激坂)をとおり天地峠まで下り、登り返すと坂町の遊歩道に出ます。左に折れてしばらく進むと天狗岩です。なかなかのビューポイントが待っています。
そのまま進めば小屋浦駅へ行けますが、2022.2.1時点では通行止めとなっていますし、ここまで来たのなら頭部みはらし公園まで行きましょう。坂町が綺麗に整備した遊歩道です。厳しい道ではありません。
来た道を引き返し、せんこう頭部のピークを踏み、一旦住宅地まで下ります。急な下りもありますが、随所にビューポイントがあります。
住宅地に出ると案内標識に従い頭部みはらし公園を目指します。舗装された遊歩道ですが、苔むした道はすべりやすいので注意深く歩きましょう。
トイレや東屋のあるみはらし公園を過ぎ、しばらく下ると墓所に出ます。ちょっとごちゃごちゃしていますが、細い路地を下ると坂駅の目の前に出ます。
しかし、坂町がここまで整備しているとは知りませんでした。坂町のHPに遊歩道マップがあるので、細かい登山口などを知りたければ確認してみてください。この遊歩道を歩くだけでもいい気分転換になります。
※注意事項
登山ルート等の内容については、誤解や虚偽のないものであるよう努めていますが、経年変化や、災害による一時的な変化によって、記載された状況が変わっていたり、解釈に見解の相違が生じたりすることがあります。山行の際には、ご自身でも最新の情報を収集してください。