わざわざ県北の山の麓まで行かなくても、広島市街地近郊にある森で十分に癒されます。
「森林浴しに行く」と聞くと、車に乗って遠い山の麓まで行かないといけないイメージですが、広島市街地近郊にある森でも森林浴は十分に可能です。
広島市街地の大部分の森は、県北に見られるような落葉広葉樹林ではなくアカマツ二次林です。
アカマツ林とは、本来の自然の姿ではなく人々が薪や炭の材料、タタラ製鉄の燃料などのために伐採を繰り返した結果、アカマツが占有する森に変わったものをいいます。
そんなアカマツ林でも、クヌギやアベマキ、コナラにミズナラといった大きな落葉樹がある森には、十分に癒し効果があります。
また、スギやヒノキの人工林や竹林でも美しいと感じ、癒されることもあるので、その森が持つ属性と自分の属性の相性が存在しているのかもしれません。
その日の体調や心持ちによって心地よさの感じ方が大きく変わってきますが、森の癒し効果は科学的に証明され、誰もが森に入ると森林浴効果を得られるといいます。
具体的には、高すぎる緊張状態や強すぎる交感神経活動を鎮静化させリラックス状態をもたらし、低下していた免疫能が向上し、病気になりにくい体を手に入れることができることが科学的に証明されています。
ただ、パワースポットと同じで相性があるような気がしてます。
人は生まれ持った「自分の属性」を持っていて、自分の属性と相性の良いところへ行くと体と同調して強いパワーをもらうことができるといわれています。
相性の良い森と出会うと一生ものになります。パワースポットと同じで自分と相性のいい森を探してみるのも楽しいです。
ただ、次に紹介する森はどうしてもハイキング程度の山に登る必要があるので、普段運動していない人はちょっと頑張らないといけません。
ちょっとだけ頑張って登ってみてください。いい森が広がっていますから。
なお選定は、
①駅から近いこと
②歩行距離が短く、そこまで登らなくてもいいこと
③そこそこ大きな樹木があること
の3つの基準(個人的主観)で選びました。
次の休みの日には、森林浴に出掛けてみてはいかがですか?
森林の香りを浴びながら、さわやかな風に包まれる。
そして、視界を覆う緑の景色の中にやわらかな日の光が注がれ、せせらぎの音や葉の揺れる音が聞こえてくる。
さらに落ち葉が積もった地面は絨毯みたいにふかふかで、森林内の湿度がからだを潤す。
森はきっと、気持ちを「す~」っと落ち着かせてくれます。
三滝山(宗箇山)の稜線に広がる森
トップバッターは、やはりこの山でしょう。三滝山(宗箇山)です。
登山口は三瀧寺になります。三瀧寺も癒される空間なので、お寺のお参りだけでもおススメします。
三瀧寺は、JR可部線の三滝駅から約850mです。
ルート図
三瀧寺からぐるっと一周すると約3.2kmです。
三瀧寺を過ぎると趣きのある竹林の中を歩き、山頂手前の稜線にいい森が広がっています。
三瀧寺からの標高差約285m。山頂は絶好の展望地ですし、反時計回りに歩いてもいいです。
しっとりとした趣のある三瀧寺とセットで考えると、一番におすすめしたい森です。
松笠山の稜線に広がる森
2番目に紹介する山は松笠山です。
ここも登山口に琴比羅神社があり、この瀧の宮に訪れるだけでも癒し効果あります。
こんな住宅地の傍でもたっぷりの秘境感を味わえ、なおかつ、ここは神域と呼ぶにふさわしい場所です。
琴比羅神社は、JR芸備線戸坂駅から歩いてすぐの場所にあります。
ルート図
琴比羅の滝を過ぎ登山道を登ると松笠観音寺があります。
きらびやかなものは何もありませんが、歴史を感じるお寺です。
山に登り、お寺に迎えられる。
まさに自然と信仰を感じ、先人たちが遺した営みとその歴史が想像力を豊かにしてくれます。
図のようにぐるっと一周すると約6km。
最後の車道歩きが約1.8kmあるので、東浄ショッピングセンター前からバスに乗れば広島駅へ出れます。
標高差は約350mです。八畳岩からの展望は素晴らしく、そこから松笠山山頂までの稜線にいい森が広がっています。
秘境感たっぷりの琴比羅の滝、そして自然と信仰が体感できる松笠観音寺とセットで考えると、ここもおススメしたい山です。
緑井権現山から阿武山のハイキングルートに広がる森
次に紹介するのは、緑井の権現山から阿武山のハイキングルートに広がる森です。
権現山の山頂から阿武山までのルートは、広島市がハイキングルートとして整備しているためとても歩きやすく、また阿武山系は広島市には珍しく落葉樹林の山であるためとても癒される道になっています。
さらに展望のいい場所が数箇所あるので、天気のいい日に登ると爽快な気分を味わえます。
登山口は、緑井の毘沙門天です。
JR可部線の緑井駅から約1.9kmあるので少し歩かないといけません。
アストラムラインの毘沙門台駅からだと少し距離が短いので、利用しやすいほうで構いません。
また、毘沙門天の入り口までのバスもあります。
なお、ここはマイカーで権現山の山頂まで行けるので山に登らなくて済みます。
一番気軽に森林浴が楽しめる場所なのかもしれません。
ルート図
毘沙門天から多宝塔へ行き、権現山の山頂に至るルートです。
多宝塔傍にある里見の岩からの展望、そして山頂手前にある場所からの展望は圧巻のひと言。
そして、鳥越峠まではハイキングルートとして整備されているので歩きやすい道となっています。体力に余裕があれば阿武山まで登られてもいいです。
ただ、鳥越峠からの下山道は災害により少し荒れているので、また権現山へ引き返すほうが安全かもしれません。もしかしたら通行止めになっている可能性もあります。
毘沙門天の参道の雰囲気、そしてハイキングルートに広がる森の素晴らしさ。
こちらもおすすめしたい山です。
二葉山のシリブカガシの森
意外な感じもしますが、広島駅の北口に広がる二葉山です。
植生は常緑樹林が中心となっていますが、シリブカガシの自然の森が広がる貴重な森となっています。
世界最大級の群落地です。
果実はドングリで、どんぐりの中で一番美味しくいただけるのがシリブカガシ。
秋になるとドングリ拾いの人たちで賑わっています。
森の中を歩ける距離は短いですが、東照宮や金光稲荷神社から奥宮まで、そして仏舎利塔まで歩くとなかなか癒される空間になっています。
広島駅からも近く、多くの観光客もいるので普段着のまま気が向いたら立ち寄る観光気分でもいいと思います。
ルート図
特にルートの説明はいらないと思います。下図の東照宮横の道を通り金光稲荷神社から登るのが最短ですが、もっと二葉山を楽しみたいのなら、饒津口と呼ばれる場所から登るルートがおすすめです。饒津神社の裏に登山口があります。
シリブカガシの森も素晴らしいですが、金光稲荷神社奥宮や二葉山からの眺望も素晴らしいのでぜひ立ち寄ってみてください。
金光稲荷神社から奥宮までの参道にはいくつものお稲荷さんがあります。
ただ、お稲荷さんがどうも苦手だと思う人は、相性が良くないのかもしれません。そんな人は避けたほうがいいです。
※すべて地形図は、地理院タイル(ベースマップ)を元に当運営者が作成したものです。また、登山ルートに係る内容などについては、誤解や虚偽のないものであるよう努めていますが、経年変化や、災害による一時的な変化によって、記載された状況が変わっていたり、解釈に見解の相違が生じることがあります。訪れる際には、ご自身でも最新の情報を収集してください。本サイトを利用して生じた損失や不都合などについては責任を負いかねます。