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登山用品店で売られているロープは、ひと口にロープといっても用途に応じて太さも異なり、様々な種類があります。
キャンプで快適さを追及したり、登山の安全性を高めたり、クライミングを楽しんだりするのに必須の道具となっています。
また、カラフルなものが多いため、アクセサリーの一部として利用する人なんかもいます。
細引き(アクセサリーコード)
キャンプやアクセサリーとして活躍するのが、細引きと呼ばれるナイロン製のロープです。
ロープというより、紐というほうが想像つくかな?
太さ2ミリから7ミリ程度まで、1ミリ単位でラインナップされています。
用途によって適した太さは異なり、小物に結びつける程度であれば2ミリ程度がいいし、テントのガイラインとして用いるなら3ミリ程度のものがいいです。
登山ザックのジップの引手やアウターのチャックの引手として結ばれていたりもしますよね?
あとは、テント内の物干し紐やペグの引手なんかにも使ったりしてます。
細い径のものを数mだけでも持っておくと何かと重宝するので、ザック内に忍ばせています。
7ミリぐらいの径が太いものは、補助ロープという名前でも販売されています。
補助ロープ
登山時の危険地帯通過などに用いるロープで、補助的に使うロープ。
7~8mm径で20~30m程度の長さのものを、1パーティに1本持っておくことが一般的とされています。私も1本携行しています。
このロープ、ロープを張った状態で使うのが前提で、クライミングや救助活動時の負傷者吊り上げなどの真っ逆さまに落ちる墜落には対応していません。
いわゆる、登山の安全性を高めるロープ。
UIAA(国際山岳連盟)認可のものであれば安全性が高いです。
岩場や岩稜帯・急斜面は、転・滑落の恐れのある危険箇所。
そうした危険箇所を通過するには、転・滑落しないように一挙手一投足に細心の注意を払う必要がありますが、一本のロープがあれば、比較的安全に危険箇所を通過することができます。
急斜面や岩場などの危険箇所にロープを張り、それを手がかりに登り下りする。
横方向に張ったロープにセルフビレイをとりながらトラバースする。
転・滑落に備えて登り下りする人をロープで確保する。
といった具合に使用します。
スタティックロープ
クライミング(ダイナミック)ロープとは違い、支点を上部にとり、重い荷物を引き上げたり、降ろしたりするために使用するロープです。
重い荷物を安定的にコントロールするために、伸びにくいロープとなっています。
いわゆる救助活動時の負傷者吊り上げや高層ビルの窓ふきなど、墜落を想定せず、ロープの伸びが逆効果になる場面で使用するものです。
クライミング(ダイナミック)ロープ
その名のとおり、クライミングにも使用できる安全性の高いロープです。
クライマーが墜落したときにロープが伸びることである程度衝撃を吸収し、ダメージを軽減します。
国際山岳連盟(UIAA)では、「シングル」「ハーフ」「ツイン」の3種類に分類し、それぞれに安全検査基準を設けています。
シングルロープ
シングルロープは、その名のとおり1本で使用するためのロープで、スポーツクライミングなど、最初から墜落を想定した場面で使われます。
クライミングジムでの使用や直線的なルートや複雑でないルート等のベーシックな使用に適し、径が太めとなっています。
UIAAの検査を合格したものには「1」のマークがあります。
ハーフロープ
アルパインクライミングやアイスクライミングでの使用に適したロープ。
2本のロープを別の支点にかけながら登り、屈曲したルートでも抵抗なくロープを流すことができます。
地形が複雑でも、ルート面での几長性があり、シングルロープと比べると安全で柔軟性に富んだシステムを構築できます。
径が比較的細めで、マークは「1/2」です。
ツインロープ
シングルロープのように各プロテクションに2本同時にクリップしながら登るためのロープ。
距離の長いマルチピッチのルート、まっすぐにしか登らないアイスクライミングなでで使用されます。
エッジや落下部から破断損傷を受けても安全面での几長性が担保されています。
マークは2つに重なった◯です。(←表現しずらい)
UIAAの認定基準
UIAAとは、国際的な山岳とクライミングの団体で、クライミングの発展や安全に寄与することを目的に活動を行っています。
その一環として、クライミングギアやロープの安全基準を定め、これに適合するものに認定マークを与えています。
ロープの基準は次のとおり
シングルは、1本のロープで、80kgの重さで5回の落下に耐え、12kN以下の衝撃に抑える。
ハーフは、1本のロープで、55kgの重さで5回の落下に耐え、8kN以下の衝撃に抑える。
ツインは、2本のロープ束で、80kgの重さで12回の落下に耐え、12kN以下の衝撃に抑える。
なお、ロープは結び目のない、まっすぐな状態の時が最も強度が高いとされています。
結び目があると30%前後は強度が低下すると認識しておくことが重要です。
結局、どのロープ?
このように、危険地帯を安全に通過するために持っておいたほうがいいロープは「補助ロープ」や「スタティックロープ」になりますが、別に「ダイナミックロープ」でも構いません。
ただ、ロープは結構なお値段します。安いロープには気を付けてください。
結局は、ロープワークや積極的に使うかどうかであり、使い方を含めて自己責任の世界といえます。