山岳保険の中身をよく確認することが大切|そのポイントとなる中身とは

遭難事故は誰にでも起こりうる事故です。

そうなったときに救助費用が掛かってくることを考えると、山岳保険への加入は登山者の義務であるといわれています。

でも、そもそも山岳保険って何?

とよくわかりません。

山岳保険について、少し調べてみたので備忘録として残しておきます。

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ポイント1 そもそも山岳保険とは?

そもそも山岳保険という保険商品は存在しないみたいです。

日本には「山岳保険」という名称の保険商品の認可をもっている会社は存在しないとのこと。

全くの無知でしたが、世間一般でいわれている「山岳保険」のベースは傷害保険であり、これに遭難時の捜索救助費用の補償や賠償責任などの特約をつけて販売しているだけなんだそうです。

では、登山者の義務といわれている「山岳保険」とは何なのでしょうか。

長野県の登山安全条例の第22条では、「山岳を登山しようとする者は、山岳保険に加入するよう努めるものとする」との努力義務を定めています。その条例の同条において、山岳保険は次のように定義されています。

「山岳遭難者の捜索又は救助について負担する費用について保険金、共済金その他これらに類するものが支払われるものをいう。」

つまり、遭難時の捜索救助費用がカバーされているのが「山岳保険」であるといえます。

なので、通常の「傷害保険」に遭難時の捜索救助費用がカバーされる特約をつければ立派な山岳保険となるわけです。

ポイント2 通常の傷害保険の対象外

ちなみに通常の傷害保険でも対象外としているものがあります。

多くの人が年間を通して傷害保険に加入されていると思いますので、知っている方も多いのでは思います。

通常の傷害保険は、ケガによる入院や通院、手術などを補償してくれているものです。

山岳登はんは対象外

傷害保険は一般的な日常生活をしている人を対象にしている商品ですので、ハイキングや登山道を歩く一般的な登山であれば、ケガをしても補償されるものと思われます(登山が一般的かどうかの疑問が残る)が、対象外としているものがあります。

それは約款を見ると保険金を支払わない場合の規定に明確にうたわれている「山岳登はん」というもので、「ピッケルやアイゼンなどの登山用具を用いて特殊な技術や経験を有する登山やロッククライミング」です。

つまり、通常の傷害保険では、こういった高度な登山中のケガを対象外としているということです。

ただ、通常の登山のレベルもまちまちです。どのような登山が一般的な日常生活の範囲内かどうかの判断がよくわかりません。

なので、少しでも難易度の高いような登山をする場合は、通常の傷害保険ではカバーできない恐れがあると思っておいたほうがいいのかもしれません(やっぱり、曖昧でよくわかりません)。

病気は対象外

約款を読むと、保険金を支払わない場合の規定が明確に述べられています。脳疾患、疾病または心神喪失によるケガは対象外ということになります。

また、地震もしくは噴火またはこれらを原因とする津波によるケガも対象外とされています。

結論

山岳登はんを全く行わない一般登山の場合は、通常の傷害保険で事足りるが、脳疾患や疾病、地震・噴火が原因でのケガは対象外。

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ポイント3 捜索救助費用がカバーされる特約の対象外

つぎに、登山者としては山岳保険の本来の部分である「遭難時の捜索救助費用」が欲しいだけですので、この特約について調べてみました。

山岳遭難時の捜索や救助費用をカバーする特約は、傷害保険には2種類あるそうです。

「救援者費用等補償特約」と「遭難捜索費用特約」の2種類です。

救援者費用等補償特約

一つ目の「救援者費用等補償特約」という特約名ですが、1dayレジャー保険でもこの名前でした。

その約款を読むと、第3条の費用の範囲の規定に「遭難した救援対象者を捜索する活動に要した費用のうち、これらの活動に従事した者からの請求に基づいて支払った費用をいいます。」とあり、民間救助隊などの捜索救助費用が対象といえます。

ただし、第1条の保険金を支払う場合の規定に、「保険期間中に、急激かつ偶然な外来の事故によって救援対象者の生死が確認できない場合または緊急な捜索・救助活動を要する状態となったことが警察等の公的機関により確認された場合」とあります。

この「急激かつ偶然な外来の事故」という文言がくせ者で、その言葉どおりすべての事故を対象にしていません。

具体的には、第4条の保険金を支払わない場合の規定で、山岳登はん中の事故はもちろんのこと、脳疾患、疾病または心神喪失が原因で発生した費用や地震もしくは噴火またはこれらによる津波が原因で発生した費用も対象外とされています。

また、調べてみると道迷いや病気、疲労、悪天候なども「急激かつ偶然な外来の事故」には含まれないとされているみたいで、そうなるとあまり意味のない特約といえそうです。

遭難捜索費用特約

もう一つの特約ですが、こちらも単純ではないみたいです。

その約款を読むと保険金を支払う場合の規定に、「日本国内において山岳登はんの行程中に遭難したことによって支出した捜索費用を支払います。」とあります。

この特約の条文には「保険金を支払わない場合」の規定がないので、すべての遭難事故が対象かと思いましたが、「山岳登はんの行程中に遭難」とあるので、一般登山中の遭難事故は対象外となります。

ただ、この特約では、一般登山中の遭難事故も補償対象として支払っている会社もあるようです。

また、調べてみると保険金を支払わない場合の規定はないのですが「この特約に規定のない事項については、この特約の趣旨に反しないかぎり、普通保険約款の規定を準用します」との記載があります。

普通保険約款では病気を原因とするものなどは対象外になっているので、脳疾患、疾病または心身喪失といったものによる遭難は基本的には対象外ともいえますが、支払われる可能性もあるといわれててなんとも曖昧な特約です。

結論

どちらの特約も、いわゆる「急激かつ偶然な外来の事故」は対象外としているので、登山者に必要な特約といえるのか疑問が残ります。

また、救援者費用特約ではなく、割増費用が掛かる「遭難捜索費用特約」であれば、「急激かつ偶然な外来の事故」でなくても支払われる可能性があるという曖昧な中身となっていて不安が残ります。

まとめ

一般の登山者であれば、欲しい内容は

①脳疾患や疾病が原因でのケガも補償してくれる。

②「遭難時の捜索救助費用の補償」が「病気や道迷いが原因の遭難事故でも対象」となっている。

の2つではないかと思われます。①については、皆さんも認識があると思いますが、特に②については、山岳保険に加入する意味を問われそうなので、加入する保険の中身をよく確認する必要があります。

病気や道迷いが原因の遭難救助に対して、明確に補償対象としている山岳保険もあるみたいなので、やはりそういった文言を明確にうたっている保険がおすすめであるといえます。