登山を始めるにあたって、まず揃えないといけないものとされているものが『三種の神器』と呼ばれているものたちです。
一般的には「ザック」「靴」「レインウェア」が『三種の神器』といわれ、まずはこれを揃えることが必要といわれています。
また、最近では出版社やアウトドア用品店が提唱する『新三種の神器』と呼ばれるものも登場しています。
出版社は、「ストック(トレッキングポール)」「サポートタイツ」「アミノ酸」の3つを提唱し、アウトドア用品店は道具というよりは身を守り遭難しないようにするためのアイテムとして「地図・コンパス」「ヘッドランプ」「ツエルト」の3つを提唱しています。
さらに『新々三種の神器』なんて言葉も登場し、こちらも道具というより安全を追求するものとして「登山届」「山岳保険」「ココヘリ(発信機)」の3つが提唱されています。
つまり、登山を始める場合、「ザック」「靴」「レインウェア」「ストック(トレッキングポール)」「サポートタイツ」「アミノ酸」の6つと、安全を追求するための「地図・コンパス」「ヘッドランプ」「ツエルト」「登山届」「山岳保険」「ココヘリ(発信機)」の6つ、計12必要ということです。
多い、、、ですよね。
でも、山に入るという行為は、常に危険と背中合わせの状態になります。
常に山には危険が潜んでいるという認識を持つことが非常に重要です。
だから、これだけのものは最低限揃えましょうということなのです。
しかし、登山を始めたい人にこれら全てを揃えることが必要かと聞かれれば、答えはNOです。
近所の低山に初めて登って、登山にハマらない人がいる可能性もないわけではありません。
登山にハマらなかったら、揃えた意味がなくなりますよね?
登山用品は、結構お高いですから…。
初めて登山をされる方は、きっと誰かに連れて行ってもらうはずです。それも近所の難易度の低い低山に。
「一人で登りに行こう」なんて人はいないと思います。
よって、初めて登山される方は、今持っているものでも登れる山に連れていってもらってください。何かを買い揃える必要はまったくありません。
初めて登山した上で、これからも登山を継続的にしていきたいと思えばこの記事を見返してみてください。
よってこの記事は、登山に2~3回連れて行ってもらい、これからちょっと登山を本格的に始めようかな~なんて思っている人向けの記事になります。そして、まだ一人で登山するのは無理だなと思われている人向けです。
ベテランの人や単独登山される方はスイマセン。読む価値のない記事です。
また、何度もいいますが、登山を初めてされる方は登山道具を買い揃える必要はありません。
今あるものでも登れる山に連れて行ってもらってください。
✓最初に揃えるべきもの
最初に揃えるべきものは、やはり「山岳保険」への加入です。
前段でも書きましたが、山に入るという行為は、常に危険と背中合わせの状態になります。
万が一のときに備えて、山岳保険の加入は登山者の義務といえます。
しかし、そもそも山岳保険という保険商品は存在しません。
ベースは傷害保険で、これに遭難時の捜索救助費用の補償や賠償責任などの特約をつけて販売しているものです。
加入する山岳保険の中身のポイントは3つ。
①ピッケルやアイゼンなどの登山用具を用いて特殊な技術や経験を有する登山やロッククライミングをするかどうか。
いわゆる山岳登はんを行うのであれば、それを対象とした傷害保険に加入することを考える必要があります。一般的に販売されている傷害保険やレジャー保険は、山岳登はんは対象外となっています。
②脳疾患や疾病が原因でのケガでも補償対象かどうか。
一般的に販売されている傷害保険は、ハイキングや登山道を歩く一般的な登山であればケガをしても補償されるものと思われます。登山が一般的な日常生活の一部かどうかの疑問が残りますが…。
しかし、脳疾患、疾病または心神喪失によるケガは対象外となっていますので、これらによるケガの補償が必要かどうかをよく考える必要があります。
必要でないのであれば、今入っている傷害保険との重複がないか確認が必要です。
③「遭難時の捜索救助費用の補償」が「病気や道迷いが原因の遭難事故でも対象」となっているかどうか。
登山者としてはこの特約が最も重要で、上記①と②の補償は自分に必要かどうかで判断していいですが、③については必ずその特約を付けておく必要があります。
しかし、病気や道迷いが原因の遭難事故は対象外となっていたり、曖昧となっている商品もあるので、病気や道迷いが原因の遭難救助に対して、明確に補償対象としている商品を選ぶべきといえます。
✓次に揃えるべきもの
次に備えるべきものは、「地図」と「登山靴」、そして買うものではないですが「登山届」です。
コンパスは、登山用としてベースプレートコンパスと呼ばれるものが必要になりますが、持っていても使えないのでは意味がありません。どちらかというと地図読みのほうが重要になります。地図が読めるようになるとコンパスがなくても90%以上の確率で現在地がわかるようになるといわれています。
地図(地形図)は、国土地理院のWebサイトやカシミールといった無料ソフトなどから印刷できるので、登られる山の地形図を印刷して持ち歩くようにしてください。プリンターがないのであれば連れて行ってくれる人に頼んでみてください。
連れていかれるだけの登山でも、地形図を見ながら、今自分が地図上のどこにいるのかを把握しながら登ることが重要です。そうすると自然に地図が読めるようになります。
そして、自立した登山者へと早くステップアップできます。
また、スマホに登山用のGPSアプリを入れておいてもいいです。
現在地が分からなくなったら、GPSアプリで現在地を確認してみてください。
想定していた場所と違っていたら、どこで間違えたのかを考えてみることが上達への近道になります。
登山靴についてはローカットやミドルカット、ハイカットや硬い柔らかいといった色んな種類がありますが、登山用の靴であれば運動靴に比べると安全にそして安心して山の中を歩くことができます。
ケガをして歩けなくなるといった事態などを避けたいのであれば、揃えておきたいアイテムの一つです。
ただ、種類がたくさんあるので悩むと思いますが、ポイントはただ一つです。
自分の山行スタイルが何なのかを考えることです。
日帰りのみなのか、泊付の登山もするのか、その泊数は何泊なのか、岩稜帯をたくさん歩くのかなどです。
日帰りの低山のみなのであれば、がっしりと硬くハイカットである登山靴は必要ありません。歩きやすい登山靴のほうがいいです。
登山届については、届を出さなくても誰かには伝えておく必要があります。最低でもどの山に行くのかは誰かに伝えておきましょう。お金は掛かりません。
✓その他のもの
その他のものはひとつの塊と考え、少しずつ買い揃えていけばいいと思います。
ポイントは登山靴と同じです。
自分の山行スタイルが何なのかを考えることです。
低山中心の日帰りのみしかしないのであれば、高価なレインウェアは必要ありません。ポンチョで十分です。
雨降っても山行きますか?
夏の暑い時期の樹林帯でレインウェア着ますか?
ただ、レインウェアは防寒としての役割もあるので、それらも加味する必要があります。
ザックも普段使いので容量が事足りるのであれば、それで十分です。
日帰りくらいの重量であれば腰ベルトはなくてもいいです。
また、トレッキングポールとサポートタイツは意見が分かれそうです。個人的にはそれらに頼らなくても歩ける体づくりが必要との観点から、不必要なものと考えています。
ヘッドランプとツエルト、ココヘリ、アミノ酸、コンパスは次のステージに進むときに考えればいいと思っています。
あとは月に1回でも登って体力づくりが必要かなと思います。
✓登山用品のレンタルを利用する
※この記事には一部PRが含まれます
登山用品をレンタルするという選択肢も加えていいと思います。
新しい道具を揃えるのは、なかなか費用が掛かりますから。
新しい道具を購入するまでに至らないときには、私もレンタルしたことがあります。
おすすめは「やまどうぐレンタル屋 」です。
6点セットが1泊2日で 1万円以下で揃いますし、レインウェアや登山靴なども単体でレンタルできます。
レンタルで使用感を試すことも考え方の一つです。
それでは、皆さんの楽しい登山ライフを期待しています。
以上で~す。