宮島は周囲約30kmにおよぶ花崗岩でできた島。
大潮の時期には、その海岸線沿いを歩いて一周することができます。
その海岸線のうち、桟橋から青海苔浦神社までの区間約13kmと、室浜砲台跡地から桟橋までの区間約5.5kmの合計18.5kmは舗装路歩きです。
それ以外の区間約12.5kmは、本当の海岸線沿いか海岸線沿いの山道を歩く必要があります。
歩く時期は秋より春の方がおすすめ。秋は陽が短いからです。私と妻が歩いたときは約11時間。ツアーで4人で歩いたときは約15時間掛かりました。始発のフェリーに乗ってぎりぎりでした。
歩いたら分かりますが、歩くことを止めることができない逃げ場のない恐怖感と満潮時刻が迫る中での焦りから、ゴール時の達成感・充実感は半端ないものがあります。
そんな宮島一周歩きは、もう二度としたくないと思う反面、貴重な経験をしたと誰もが思うはずです。
そして、歩くことで宮島の意外な一面を見ることもできます。
美しすぎる突端からの景色。
また、それとは対照的に室浜砲台跡や鷹ノ巣砲台跡といった戦時中の建造物の痕跡を目にし、多くの兵士たちがここで戦っていたという歴史の現実。
さらに、牡蠣殻の捨て場?と思われる場所もあり、自然豊かな世界遺産厳島と呼ばれる島の意外な一面を見ることができます。
しかし、浦々には神社が祀られているように古くから歴史や文化を継承し育んできた島であることに間違いはありません。
そんな宮島の一周歩き、せっかく一周歩くのですから、七浦神社にお参りしながら歩くといいです。そして、最後に大元神社に参拝すれば完璧です。
ただし山白浜神社は小高い丘の上にあるため、通り過ぎる可能性があります。注意深く歩いてください。
須屋浦神社や
御床神社は、歩いてくることでゆっくりと参拝することができます(そんな余裕はありませんが)。
なかでも御床神社は、あともう少しという気持ちもあったのかもしれませんが、なかなか素晴らしい佇まいでした。
砂浜歩きも楽かと思いきや、やわらかい砂に足を取られ歩きにくかったです。
所々に石もあり、滑ることはないけどじわりじわりと疲れが溜まっていきます。
青海苔浦神社から海岸線歩きとなりますが、潮が引いてないと歩けないので、そんな時は海岸線沿いの山道を歩き、潮が引いたら海岸線に下りるといいです。ただ、大きな岩場を選びながら歩くのでそこそこ時間が掛かります。山白浜神社まではこの大きな岩場が続くので山道を歩いたほうが早いのかもしれません。
ただ、この山道が結構アップダウンがあって疲れます。
登山に比べると全然楽なアップダウンなのに、じわじわと体に堪えてきます。
そして、潮が満ちてきたときにどこから山道に入るのかが大きなポイントです。
海岸線沿いに赤テープがある場所が入りやすいので、歩きながらそのポイントを確認しながら歩くといいでしょう。赤テープがないところから入るとかなりの藪漕ぎとなります。
ぎりぎりまで海岸線沿いを歩くか、早めに山道に入るか。その判断も重要になります。
歩きにくい岩場も、
南端の革篭(こうご)崎と呼ばれる場所からの景色も
綺麗な砂浜も
楽しむ余裕はまったくありません。
すべてが弱い自分との戦いです。
歩かないとゴール出来ないという思い、、、
そして、満潮までに残された時間との戦いと焦りと恐怖、、、
そんななかで舗装路まで辿り着いたときの安堵感。
きっと帰りの夕景は心に染みるものがあることでしょう。
ぜひ、チャレンジしてみてください。
もう二度と歩きたくない思いと、半端ない達成感が味わえます。
ケガしても救急車は来れないので、ケガのないように。
ヘッドランプや防寒着も忘れずに。
そして、水分や補給食は多めに。
最悪、野営も想定して・・・