今回ご紹介する山は、広島県南西部大竹市にある行者山と傘山です。2座10kmほどの縦走コースになります。
行者山の標高は313.1m、傘山の標高は649.6mでどちらもハイキング的な山です。
大竹山の会の方々によって道標も随所に整備されているので、まず迷うことはないと思います。
どちらの山も花崗岩の山で、登山道は風化した花崗岩で大変滑りやすいです。
特に下りでは傷よけに手袋をして、慎重に降りるように心がけてください。
どちらの山もその名のとおり、行者山は古くから行者の修験場として知られる山で、傘山は傘が開いたようななだらかな山容が特徴の山です。
と聞いていましたが、傘山はどこがどう傘っぽいのかよく分かりませんでした。
北アルプスにある笠ヶ岳をイメージしたのが間違いなのかな?
ただ行者山は、立派な役の行者を祭る修験場といえます。
その行者山は四国の石鎚山から昭和44年にご神霊を迎えた霊山でもあり、修祓・修行・鎮魂のため4万5千平方メートルにもおよぶ山の全域を信仰の道場としています。
そして、山麓には本殿を頂上には頂上社を建て、頂上への道中には鎖行場が設けられています。
その鎖行場は石鎚山同様、一の鎖(19m)、二の鎖(23m)、三の鎖(50m)があり、三の鎖はほぼ垂直の岩壁に鎖がかけられていて、かなりの修行場といえます。
なお、鎖場は神聖な場所ですので信者以外は決して登ってはいけません。マナーとルールは守りましょう。
どちらの山もその道中は展望に優れ、展望岩なるものが至る所にあります。行者山は瀬戸内海方面、傘山は特に中国山地方面の展望が望める印象です。
その反面、木陰が少ないため夏場の山行は避けたほうが無難です。
真冬の陽だまりハイクが時期的には丁度いい感じかなと。
あと、蜘蛛の巣にたくさん引っ掛かります。帽子を被り、落枝で目の前をグルグル回しながら歩くといいです。
行者山登山口
代表的な登山口は、西山社と石鎚神社です。
駐車場は特に用意されていないので、近くの駐車できるスペースに駐車されている方が多いです。
便利なのは、やはりJR利用です。玖波駅が近くにあるのでここを起終点として考えるのがベストといえます。
登山口までは、大竹山の会によって標識がつけられているので迷うことはありません。
行者山・傘山登山ルート
行者山と傘山の間に舗装された立派な林道があります。これが林道?というぐらい立派な林道です。
まずは行者山を踏んで、その林道まで行くことになります。
西山社、または石鎚神社から行者山へ向けて明るい尾根道を登ります。道は風化した花崗岩で真砂土と呼ばれるものです。雨により浸食され大きくえぐられた箇所もあり、なかなか歩きにくい道となっています。
しばらく登ると瓦が積まれた平坦な場所に出ます。以前はここに石灯籠があった記憶が残っていますが、記憶違い?
さらに登ると禊場である水場に着き、階段を登ると行者堂に着きます。ここからの景色は見応えがあるので立ち寄ってみてください。この行者堂の建物は麓からでも確認できます。
行者堂の手前から少し急な山道を登ると岩場から絶景が望めるポイントに着きます。岩場に立つと足がすくむほど眼下に広がる景色に圧倒されますが、一息つくのに最適な場所です。
さらに登れば右手に鎖がつけられた岩場を見ることができます。
これが三の鎖で、ここを登るのかと誰もが思うことでしょう。本場の石鎚山より怖い印象を受け、誰かがここを登っているところを見てみたいと思う衝動に駆られます。
これを過ぎるとすぐに石鎚神社の頂上社に着き、裏手が三角点のある山頂です。登山口から40分程度で到着します。
その頂上から北へ急登を降り、さらに急登を上るとすぐに展望の良い玖波槍と呼ばれるピークに着きます。
ここからは360°の大展望が広がっているので、大休憩にはもってこいの場所となっています。
この玖波槍から北方面への尾根道を30分ほど歩くと林道に出ます。途中、小ピークを何回か超える必要がありますが、快適な尾根道です。
その林道を左に少し歩くと階段がつけられた傘山東登山口に着きます。
そこから、歩きやすく所々に展望地がある尾根道を約60分かけて登ると傘山の山頂です。
山頂はあまり展望がよくないので、西側にあるピークまで行きます。2~3分程度で着きます。
そこは極楽岩と呼ばれる大展望地です。あまりの景色の素晴らしさに極楽と名付けたのでしょう。
大峯山や吉和冠山、羅漢山、間近に河平連山や三倉岳が眺望できます。
下りはそのまま南下します。途中、谷道と尾根道への分岐がありますが、谷道を下っても尾根道を下ってもどちらでも林道へ戻ります。尾根道だと景色も良く明るい道ですが、小ピークを何回か超えるので楽なのは谷道です。
林道へ出たら、行者山から出てきた場所まで戻ります。ここまで傘山山頂から約60分です。そこから錦龍公園へ下るか、行者山方向へ少し歩き大歳神社方向への谷道を下るかになります。再度玖波槍を踏むという選択肢もありますが。
大歳神社への谷道は少し荒れ気味で歩きにくいので、錦龍公園へ下ったほうが無難かもしれません。
ただし、西山社へ戻る場合は、谷からコルへの登り返しが待ち受けています。
大歳神社への谷道で45分程度、錦龍公園へ下り西山社を通るルートでは1時間もあれば玖波駅に戻れます。
寒い時期の陽だまりハイクとしていかがですかね?
※注意事項
登山ルート等の内容については、誤解や虚偽のないものであるよう努めていますが、経年変化や、災害による一時的な変化によって、記載された状況が変わっていたり、解釈に見解の相違が生じることがあります。山行の際には、ご自身でも最新の情報を収集してください。