
広島で登山初心者におすすめの山は、大峯山です。奈良県にある大峰山ではありません、広島にある大峯山(おおみねやま)です。
広島市と廿日市市の行政界にあり、湯来町が広島市と合併したために広島市の最高峰となりました。
その標高は1050mです。
そこそこの急登であるため、かなり登りごたえのある山です。初心者の方には少し厳しいかもしれませんが登れないことはありません。
また、登山道も一本道で迷うことはないでしょう。
麓の廿日市側の登山口(川上地区)との標高差が550mくらいなので、宮島の弥山に登るのと同じくらいです。
三角点は、頂上より西側(1039.6m)にありますが展望はありません。岩峰の頂上まで行きましょう。
頂上直下に六畳岩や八畳岩があり、ハシゴを伝って登ると大峯山の山頂です。
また、主峰の東端には「まわり縁」と呼ばれる切り立った崖があり、この山のシンボルともなっています。
少し怖いですが、切り立った崖の上をぐるりと回れます。
頂上部の近くにコンクリート造りの休憩所があり、その側には祠があります。
その祠は、明治の初めころに湯来町にある西法寺の分仏として造られたそうです。
アクセス
廿日市側の川上地区の登山口がアクセスがいいです。
駐車場も整備されていて、トイレもあります。
バスは廿日市市の「佐伯さくらバス」の玖島線が利用できそうですが、廿日市市のHPを見てもよくわからないので、車で行くしかないと考えたほうがいいです。
また、広島市の湯来町側からは、県道42号線の笹ヶ峠に数台分の駐車スペースがありますが、ここまでの道のりがかなりハードです。
登山ルート
代表的な登山ルートとしては、廿日市側の川上地区からのルートになります。
駐車場から大峯ランドと呼ばれる別荘地の急坂を最上部まで上がり、貯水槽の右から植林地の中の登山道に入るとここから山頂近くの分岐までは一本道なため、迷うことはありません。
しばらく登ると右に折れて、トラバース気味に植林地の中を登っていけば尾根に出ます。所々に急登の場所があり、7合目を過ぎると見上げるほどのきつい直登が待っています。
やがて勾配が緩やかになると、西大峯山との分岐がある大峯山の三角点に着きます。
そこから50メートルほど進むと分岐があり、左に巻く踏み跡は「まわり縁」に行き、右に進めば頂上です。

山頂からは360°の大展望を満喫できます。
西方面には吉和冠山や羅漢山。

北方面には、十方山や恐羅漢山などの西中国山地の名峰が連なっています。

また、まわり縁からの景色も圧巻です。
遠くに瀬戸内海が見え、宮島の弥山が見えます。
澄んだ日には、四国の石鎚山脈が見えることもあるそうです(見たことはありませんが...)。

下山ルート
下山は、上ってきた往路を戻ることになります。
西大峯山やオオネントウへの縦走するコースもありますが、縦走路の状態がよくないかもしれません。
特にオオネントウから先の縦走路で麓の林道へ出るまでの一部区間で、かなりの藪の中を歩いた記憶があります。
ただ、西大峯山一帯は美しい落葉樹林が広がっていて、秋はとても美しい森の中を歩くことができます(写真は落葉後ですが)。

オオネントウへの縦走路も美しいも落葉樹林の森を歩きます。

オオネントウから先は、植林地が増えてくるもののなかなかいい森が広がっています。

西大峯山までのアップダウンは激しくないので、西大峯山まで行くのなら往路を引き返すほうがいいのかもしれません。
雪の大峯山
登山初心者の方には難しいかもしれませんが、アクセスがいいので、雪の大峯山も楽しめます。

でも、近年では、ここまで積もることがないような...

温暖化の影響か、最近は、なかなかいい雪山に出会えてない気がします。

大峰山周辺の地質
古生代ペルム紀に形成されたものとあります。
古生代ペルム紀とは、約2億9890万年前から約2億5217万年前までの約4673万年の期間に相当します。
ペルム紀末の約2億5200万年前には、地球上の生命をほとんど消し去るほどの規模の大絶滅があったそうです。
そんな時代に形成された岩石を大峯山で見ることができるなんて、まったく知りませんでした。
あの頂上付近の岩峰は、もしかしたらそんな大昔に形成されたもの?
斑れい岩とあるので、地下深い所でゆっくりと冷え固まった深成岩です。
斑れい岩は岩石全体が黒っぽいといわれているので、今度山頂に登ったら、岩をじっくり観察してみます。

興味があればこちらも。
※注意事項
登山ルート等の内容については、誤解や虚偽のないものであるよう努めていますが、経年変化や、災害による一時的な変化によって、記載された状況が変わっていたり、解釈に見解の相違が生じることがあります。山行の際には、ご自身でも最新の情報を収集してください。