氷ノ山(ひょうのせん)

氷ノ山は中国地方第2位の高峰で、山頂部分は緩やかですが、山腹は急しゅんな地形となっています。

鳥取と兵庫県の県境に位置し、氷ノ山・後山・那岐山国定公園の中心地。

標高800m以上の山腹にはブナの自然林が残り、天然記念物のイヌワシやツキノワグマが生息していて、「21世紀に残したい日本の自然100選」や「日本の秘境100選」などに選ばれています。

また、氷ノ山のキャラボク群落は中国山地では大山に次ぐ規模をもつ。

稲羽誌によれば、天照大神が旭日に映える樹氷を見てヒエの山と呼んだことが名前の由来であるといわれていて、山麓の舂米(つくよね)集落には天照大神の御製が伝わっています。

山の形成は古く、火山活動による溶岩流の地形が、山頂から三ノ丸にかけて見られ数百万年前の火山活動によるものと推定されてます。

古名は須賀ノ山。北西に連なる鞍部には、氷ノ越(ひょうのこし)と呼ばれる峠があり、昔は因幡と但馬を結ぶお伊勢参りの峠道として利用されてました。

当時の峠越えは難所として知られ、舂米(つくよね)の村外れに昔の道標が残っていて、かつての往来をしのばせています。

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地形図

地理院タイル(ベースマップ)

兵庫県側は緩やかだが、鳥取県側は急しゅんとなっている。

地質図

1/50,000地質図GISデータ(産総研地質調査総合センター)を使用し、当運営者が加工したもの

山頂付近は、火成岩です。

火成岩とは、マグマが冷え固まってできた岩石。

安山岩とあるので、マグマが急速に冷えてできた岩石であることがわかります。

火砕岩とは、火山活動で放出されたさまざまな大きさの砕屑物が固まってできた岩石のことです。

火山噴火によって生まれた山であることがわかります。

一方、水色の部分は堆積岩。

礫・砂・泥・火山砕屑物(かざんさいせつぶつ)・生物の遺がいなどが、流水や風の作用などで堆積して固まってできた岩石のグループです。

海成層泥岩とあるので、海の底に堆積した泥が固まって岩石となったものである。

大地が隆起してきたものと、火山活動によって生まれたことが分かります。

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植生図

1/25,000植生図GISデータ(環境省生物多様性センター)を使用し、当運営者が加工したもの

山頂付近は、クロモジ-ブナ群集とササ群落となっています。

クロモジ-ブナ群集とは、落葉広葉樹林でブナが優占する自然林です。

ササ群落とは、元の森林が失われた後、山頂などの風の影響でほかの植物が入りにくいためにササ群落が定着したりして成立し、そのまま他の植物が侵入できず、ササ群落のままであるような場所です。

元から原植生がササ群落ということではありません。

※3D画像・地形図は、国土地理院の地理院タイルを利用してます

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