河平連山の9つの峰を歩く

河平連山は廿日市市にある山で、0号峰から8号峰までの9つの峰々を河平連山と呼んでいます。一応、最も標高が高く三角点のある5号峰が河平山とされていますが、地形図には載っていない無名峰です。
大正12年の7月に福岡県を離陸した乙式一型偵察機が、広島に着陸する寸前に方向を誤り0号峰の岩壁に追突して殉職之碑が建てられたことから地元では飛行機山と呼んでいます。
案内看板にも河平連山(飛行機山)と書かれていました。

この河平連山、地元の人たちが平成5年にハイキングコースを開拓したことで、登ることができる山になっています。
しかし、10年前にあった登山届ボックスはなくなり、簡易式のトイレもボロボロになっていました。
この河平連山に限らず、多くの登山者に愛されてきた里山は、あと10年もすれば登ることさえできなくなるかもしれないと思うと寂しさがこみ上げてきます。
人口が減り、快適で便利な都市型社会へ進む現代においては仕方のないことなのかもしれませんが、何か大切なものを置き去りにしている気がしてなりません。

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アクセス

さて、河平連山へのアクセスはやはりマイカーが便利です。東登山口の道路脇に数台駐車できるので、そこを起終点にぐるりと周回できます。

バスでも行けないことはないです。JR山陽本線の玖波駅から大竹市が運行するコミュニティバス(大竹・栗谷線)に乗り、松が原農協で降ります。
土日祝日は、玖波駅を9:10に乗ると松が原農協に9:21に着きます。ただ、帰りは16:46発なのでかなり遅く、また、料金も片道280円と高めなので現実的ではないかもしれません。
下山口から玖波駅まで約6.6kmなので、最悪1時間半ほど歩きましょう(笑)。

登山・山登り・ハイキング・トレッキングツアー

登山ルート

登山ルートは、右回りでも左回りでもいいですが、右回りがよく紹介されているのでやはり右回りがおすすめなのでしょう。地形図には徒歩道の記載がありませんが、踏み跡はしっかりついているので迷うことはないと思います(数箇所迷うところがあります)。

河平連山ルート図
地理院地図(ベースマップ)を元に作製したもの

あんなにしっかり踏み跡があるのに国土地理院の地形図には記載されない。逆のパターンもあって、いったい国土地理院は何を基準に徒歩道を記載しているのかいまだによく分かりません。徒歩道(登山道)は生死を分ける重要な道しるべなのに。

さて、東登山口に車を停め、車道を25分ほど歩くと登山口に着きます。登山口から1号峰と2号峰の間にある鞍部を目指して登ります。途中、「前方天狗岩」と書かれた看板があり、前方を見るとどれが天狗岩なのか分かりませんが、1号峰から天狗岩へ行くことができるので時間に余裕があれば立ち寄ってみてください。

河平連山天狗岩

1号峰と2号峰の分岐となる鞍部に着くと案内標識があります。右に進むと河平山(5号峰)ですが、左に進み0号峰を目指します。1号峰はすぐで左に折れると天狗岩へ行けます。そんなに遠くない場所にあるのでついでに行っちゃいましょう。
たぶんこれが天狗岩です。違ってたらごめんなさい。

河平連山天狗岩

また、1号峰を過ぎると殉職之碑への分岐もあります。若干下りますが、せっかくなのでここも寄っちゃいましょう。飛行機山と呼ばれる原点ですから。

河平連山殉職之碑

0号峰への登りはロープがあってちょっと急な斜面ですが、すぐに着きます。展望はないので、少し先にある八畳岩まで行きます。
大パノラマの景色が広がり、休憩には最適の場所です。三倉岳や傘山、羅漢山、宮島がよく見えます。

河平連山八畳岩からの眺め

ちなみに、休憩におすすめの場所は、この八畳岩と5号峰です。まあ、一番いいのはこの八畳岩なのですが、到着時間が早いので利用しづらいです。

展望を満喫したら、分岐の鞍部まで戻って2号峰を目指します。宮島大鳥居展望の地を過ぎると2号峰へ到着です。鞍部から5分程度すぐに登ります。

河平連山宮島展望の地

ここから60mほど急坂を下ると札木峠で3号峰へ70mほど登り返します。ここがちょっとキツイですが、3号峰まで登るとあとは快適ルンルン道です。歩くこと5分で4号峰に着くと、雨乞い信仰の岩、水神釜があります。
雨が降らないときに、この石の穴に溜まった水をぐるぐると混ぜると雨が降るとのことから、ここで雨乞いの儀式が行われていたそうです。

河平連山4号峰水神釜

4号峰から5号峰はすぐで、2分程度で着きます。一応、河平山の山頂ということなので、ここで休憩しましょう。展望もいいです。経小屋山を反対側から見ると穏やかな山なのだと感じます。

河平連山5号峰からの眺め

また、山頂には廿日市20名山との標識もありますが、麓の松ヶ原地区の人たちは大竹市の住民。松ヶ原町が大竹市の飛び地という珍しい場所なのでこうなるのですが、松ヶ原地区の住民の人たちの大きな努力によって登れる山となった河平山です。なぜか横取り感があって、違和感を覚えるのは私だけ?

河平連山5号峰

5号峰を過ぎると小さいアップダウンを繰り返しながら6号峰から8号峰までを踏んでいきます。各々の山の間は短く、15分程度で8合峰までいきます。途中にある風化が進む花崗岩地は芸術作品のようです。

河平連山風化する花崗岩

急坂を下り、谷筋へ降りると樽川の三段滝に出ます。そこから車を停めた東登山口はすぐです。

※注意事項
登山ルート等の内容については、誤解や虚偽のないものであるよう努めていますが、経年変化や、災害による一時的な変化によって、記載された状況が変わっていたり、解釈に見解の相違が生じていたりすることがあります。山行の際には、ご自身でも最新の情報を収集してください。

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