今回ご紹介するのは、廿日市市にある経小屋山です。
過去に2回も山火事の被害に遭っている山で、点在する白い露岩の山肌は独特の景観を生み出しています。しかし、山火事の前はどんな山でどんな登山道だったのかな。それなりの大樹があったのだろうか。
また、近くの城山もなかなかいいところなので、併せて紹介しておきます。
城山は、かつて門山城という山城があった場所で、今でも「刀掛け」や「馬のたらい」といった遺構が残っています。
戦国時代の城主は厳島神領衆の有力な一員であり、大野郷の土豪である大野氏です。毛利元就の次男である吉川元春軍によって攻められ落城しています。
山城というだけあって、その「刀掛け」と呼ばれる岩からの眺めが良くて、登って損はないと思います。標高も265.1mと低いですし。
一方、経小屋山の標高は596.2mあり、それなりに登ることになります。
かなり急登な場所もあり、風化した花崗岩の登山道は大変滑りやすいため、下りは特に注意が必要です。
また、低木やシダ植物により覆われ、やぶ化の一歩手前といった感じの場所が多くなっています。そこは、頭上と足元の空間が狭くて歩きにくく、常に頭を下げ足元を確認しながら歩くのでストレスが溜まります。歩く人が少なくなっているのかな?
さらにルートによっては木陰が少ないので、真夏の登山は厳しい山といえます。逆に真冬は瀬戸内海に面しているので陽だまりハイクが期待できますが。
また、経小屋山は山頂まで林道が通っているので、車で行くことも可能です。
宮島の対岸にそびえる山なので、山頂近くにある展望台からは瀬戸内海や宮島、広島市街地方面が見わたせ、なかなかの絶景です。展望台は駐車場から歩いて2~3分?の場所なので、夜景スポットとしても有名?となっています。ただし、道は林道なので狭く、クネクネ道の連続ですが。
経小屋山の由来ですが、かつて経小屋山は物見台として適地だったことから、外敵に備え防人が山頂に屯していたそうです。
その防人達がその時代に流行した「一切経」を守り本尊として、経小屋を建てたことが山の由来ではないかといわれています。確かなものはないみたいです。
その「一切経」とは何か調べてみましたが、私には理解できませんでした。
登山口
経小屋山の登山ルートはたくさん紹介されていて、それに伴い登山口もたくさんあります。
大野浦駅から登るときに代表的な登山口は、塩屋ルート口に宮浜ルート口です。それに加え新・城山ルート口や岩滝ルート口もあります。ただ、宮浜ルート口や岩滝ルート口は大野浦駅から約2km歩かないといけないのでちょっと遠いです。でも、この宮浜ルートと岩滝ルートは、眺望に優れるルートなのでおすすめです。が、急登の場所や滑りやすい場所も多いので下りでより上りで使ったほうがいいかも。
また、玖波駅から登るときは、玖波ルート口や鳴川ルート口があり、さらに妹背の滝から登るルートもあります。
このように登山口がたくさんあるので、どのルートを組み合わせるか悩みます。
車で行くとルートは限られますが、電車だと選べるルートが増えるので電車で行くのがおすすめかな。
なお、車で行く場合は妹背の滝公園駐車場がありますが、登山者が停めていいのかどうかは不明です。
登山ルート
先に述べたように、登山ルートは数多く紹介されています。
新・城山ルート、塩屋ルート、宮浜ルート、岩滝ルート、鳴川ルート、玖波ルート、妹背の滝ルート、妹背の滝から城山経由ルートです。
ルートについては、はつかいち観光協会さんのHPに登山マップがあるので参照してみてください。
この中で展望に優れているルートは、宮浜ルートと岩滝ルートかな。急登ですが、瀬戸内海と厳島を眼下に収めながら登ることができます。
玖波ルートは歩いたことがないのでよく分かりません。尾根道ですが、林道をかなり下ったところに出るみたいです。それなら、鳴川ルートを歩いたほうがいいような気もします。塩屋ルートよりも勾配は緩いですし。
妹背の滝ルートにしても、塩屋ルートにしても山頂手前はかなりの急登になります。地形図を眺めても斜面を登る感じです。下りでも注意が必要でしょう。
どのルートで登っても、岩滝ルートと鳴川ルートの途中にあるあずま屋のある展望台には行ってみてください。ここからの景色が経小屋山を代表する景色です。
ただ、山頂付近からの展望はあまり利かない印象でしたが、最近周辺を伐採したのかずいぶん景色が良くなっていました。
なのであずま屋に無理していかなくてもいいのかもしれません。随所に展望のいい場所はありますし。
また、城山からの眺めもなかなか良かったです。帰りだと登り返すことになりますが、ほんの少しでした。
シダが茂っていて歩きにくい山ですが、随所に展望のいい場所がある経小屋山。真夏は避けて真冬の陽だまりハイクに最適かもしれません。
※注意事項 登山ルート等の内容については、誤解や虚偽のないものであるよう努めていますが、経年変化や、災害による一時的な変化によって、記載された状況が変わっていたり、解釈に見解の相違が生じることがあります。山行の際には、ご自身でも最新の情報を収集してください。