登山時に気をつけたいマナーとルール|誰もが気持ちよく山を楽しむため

日常生活のなかには、様々な暗黙のルールやマナーが存在しています。

そんなルールやマナーを違反している人に遭遇すると嫌な気持ちになりますよね。

特に朝一でそんな人に出会うと、一日が台無しになった気分になります。

登山も同じです。山には山ならではのマナーやルールがあります。

リスキーな自然のなかで、より安全に活動し、みんなが気持ちよく過ごせるようにするため、そして、かけがえのない貴重な自然を守るために、すべての人が実践すべきものです。

ただ、暗黙の了解事項であるために、人それぞれでマナーやルールを持っていることが多いのも事実。

特に低山ハイクなんかは、登山というより健康のために毎日登っている人が多いです。そんな人たちは、私の考えがルールだと思っている人が多いと感じます。

要は、登山は特定の個人のものでは存在するものではなく、みんなが気持ちよく過ごせるためにあるものです。

その気持ちを持つことが一番大切なことだと思います。

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すれ違いは山側で

狭い登山道では、登山者同士がすれ違うのも一苦労です。

特に片側が谷に落ち込んでいる登山道やヤセた尾根上では、すれ違うときにザックが当たると、バランスを崩して転落してしまう危険もあります。

なので、すれ違うときには対抗者とぶつからないように、どちらか一方が山側に体を寄せて待機する配慮が必要です。その際にはザックも山側に向けましょう。

それと、どちらが待機するかの基本は「登りが優先」と言われています。

登りはあるリズムにより登っていて、そのリズムが乱れると嫌な気分になるからと言われています。

でも、必ずしもすべてが登り優先とはいかず下り優先となることもあるので、臨機応変に対応しましょう。

そして、登り下りの優先に関係なく、気持ちよく譲る気持ちを常に心がけましょう。

用足しはトイレで

山ではなるべく自然にダメージを与えないローインパクトが原則といわれています。

用を足したいときは可能な限りコース上にあるトイレを利用するのが自然に優しいということになります。

コース上にトイレがあれば、もよおしてなくてもとりあえず行っておくように心がけたいものです。

ただし、低山ハイクの場合はコース上にトイレがあることなんてほとんどありません。

そうなると「キジ撃ち」や「お花摘み」をするしかありません。

ちなみに「キジ撃ち」は山の隠語で、男性が山中の屋外で排泄することです。その姿が雉を撃つ猟師が薮に潜む姿に似ていることから。大便を大雉、小便を小雉といったりします。

女性の排泄は「お花摘み」といいます。花を摘む姿に似ているからです。

その「キジ撃ち」と「お花摘み」は、なるべく沢や水辺から離れた場所を選び、少なくとも「大」のときはシャベルで穴を掘って用を足し、すんだら上から土をかけて埋めておきましょう。使用済みのトイレットペーパーやティッシュはビニール袋等に入れてゴミとして持ち帰りましょう。

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コースを外れない

正規の登山道がついている場所については、そのコースを外して歩かないようにしましょう。

よく丸太が階段状に組まれていたり、道の中央が凹型にえぐられてて歩きにくくなっている箇所があります。

そんな箇所でもコースを外れて歩くと登山道が広がり植生も破壊されてしまいます。

自分に無理のない範囲で構わないので、なるべくコース内を歩くように心がけましょう。

早発ち・早着を意識

登山には予期せぬアクシデントがつきものです。

万一、アクシデントが発生したときに、時間と気持ちに余裕があれば、あわてずに対処することができます。

そのためにも、なるべく朝早くに登山を開始し、下山も夕方ではなく、午後の早い時間には下山予定の計画を立てましょう。

ちなみに、私が実施しているツアーでは、ナイトハイクやトワイライトハイクなど夕刻から登山を開始しているものがあります。

これらのルートについては、ある程度整備の行き届いた安全性の高い登山道を使っています。また、街からすぐの山を選び何かあっても対処できるような山で実施しています。

登山は自己責任

だれかに強要されるわけでもなく、自分の意思で山に登る以上、登山は自己責任で行うことを常に意識してください。

登山は常に危険と隣り合わせです。

何かアクシデントが発生しても、周りに人がいない以上頼れるのは自分のみです。

最初から他人をあてにしていて「何かあれば誰かが助けてくれるだろう」という安易な考えは持ってほしくありません。

ただし、救助要請はまた別の話です。

自分の手には負えないと判断したなら、すみやかに救助を要請しましょう。

一番大切なのは命なのですから。

クマよけ鈴

近年では、熊が市街地にまで出没するようになっており、低山での遭遇率は高くなっています。

なので、クマよけ鈴は必須のアイテムとなっています。私は持っていませんが。

ただし、登山道以外の場所では、ただの騒音にすぎません。

また、静かに山歩きをしたい人にとっても騒音です。

人によっては嫌な音を聴いているという意識を持っていただけるとありがたいです。

挨拶を

山で人と出会ったら、なるべく挨拶をするようにしましょう。

登りなどしんどい時には無理しなくてもいいですが、これは登山の美徳です。

「ありがとうございます」や「すいません」などのひと言も大事です。

お互いに気持ちのいい登山を心掛けたいものです。

ちなみに、遭難時においては情報として役立つこともあります。

挨拶をしておくと頭の片隅に記憶が残ることがあるためです。

「その人は、あの場所で何時くらいにすれ違った」といった具合に有力な情報となります。

また、自分が遭難したときも相手が覚えててくれてるかもしれません。

取っていいのは写真だけ

日本の国立公園や国定公園のエリア内では、動植物の採取が法律で禁止されています。

また、特別保護地区では落葉・落枝など落ちているものさえ採取が禁止され、火入れなども禁止されています。

たとえ採取が禁止されていない場所であっても、むやみに動植物を採取するのは止めましょう。

「残していいのは足跡だけ、取っていいのは写真だけ」の意識を持ち、子どもや孫たち後世へ素晴らしい日本の自然を残しましょう。

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