登山用ズボン・パンツに求められる機能|そのズボンの素材知ってます?

登山用のズボン・パンツに求められる機能は、一般的には「歩きやすく、吸水速乾性に優れた登山用のもの」といわれています。

さらに、「綿製品(コットン)はNGですよ」ともいわれています。

でも、登山用ズボン・パンツを買うときに、素材確かめます?

仮に化繊素材だと確認したとして、本当にそのズボン・パンツに吸水性あります?

私自身は、一般的な登山メーカーのものなら試着して自分の身体にフィットして動きやすければ素材なんか確かめずに購入しています。

そう、登山用ズボン・パンツに求められるものは「自分の身体にフィットし動きやすいかどうか」であるといえます。

素材は二の次というか、化繊であろうとの認識で購入してしまいます。

なので、履いたときに綿製品と分からなければ、綿製品でも買ってしまうかもしれません。

でも、その素材によって一長一短あるので、その素材を知ることで選ぶ楽しみも増えます。

登山用ズボン・パンツは、一般的にナイロンやポリエステルなどの素材にポリウレタンを織り込むことでストレッチ性を持たせているものがほとんどです。

ナイロンやポリエステルで速乾性を持たせ、ポリウレタンで動きやすさを持たせています。

吸水性を持たせているかはよくわかりません。

ナイロン(汎用)は、ポリエステルよりも引張や衝撃に対する強度は上で、また無類の耐摩耗性の強さを持つ素材です。

ナイロンの摩擦強度は綿の約10倍といわれています。

さらにポリエステルより伸びるので、登山用ズボン・パンツに多用させているものだと思われます。

ただし、紫外線劣化など対候性にはポリエステルに軍配が上がりますが、ナイロンの強度は、一年後にはやや低下するといわれています。

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ナイロンとポリエステルの吸水性・吸湿性・速乾性

ポリエステルを中心とした化繊であれば吸水性はあるものと思い込んでいる人も多いと思います。

汎用ナイロンは、ほとんど水を吸わず吸湿もしません。

また、汎用ポリエステルも疎水性であるため、繊維が水分を吸わず吸湿性もほとんどありません。

よって、吸湿性が低く、繊維が水分を吸わないので速乾性に優れているというわけです。

しかし、世の中のポリエステルを中心とした化繊の商品は、「吸水性に優れる」として売られています。

これは、ポリエステルに後加工として親水性化合物を練り込むことで、吸水性を化学的に付与させているものが世の中の商品の大半を占めているからです。ナイロンも同様です。しかし、これでは繰り返しの洗濯によってだんだんとその効力が落ちていきます。

なお、酷いものでは、ポリエステルを使用しているだけで吸水速乾(実際には水は全然吸わない)を謳い、売られているものもあるので注意が必要です。

後加工とは別に、ポリエステルでは、繊維の形状を工夫することで毛細管現象を起こさせ、天然繊維を上回る吸水性や、速乾性を付与させているものがあります。

これは、繰り返しの選択により効力は落ちないので、この繊維の形状の工夫がされているものを選ぶ必要があります。

私が最初に述べた、「本当にそのズボン・パンツは吸水性あります?」の問いかけの意味がここにあります。

ポリエステルを中心とした化繊に吸水性を求めるのであれば、それ相応のものが必要になるということです。

吸水性と吸湿性

人の皮膚は常に呼吸しています。皮膚の表面からは水蒸気になった「汗」を放出しています。運動をしたり、気温が高くなってくれば液体の汗が出てきますが、それ以外にもこの水蒸気状態のものが出ているため、登山用ウェアには吸水性のほか吸湿性も考える必要があります。

つまり、登山用ウェアには吸水性と速乾性だけでなく吸湿性も求められ、この吸水性と吸湿性の違いを理解することが重要といえます。

吸湿性は、ポリエステル繊維よりもナイロン繊維のほうが高いものの天然繊維と比較すると低いです。

吸湿性は繊維の素材に依存するため、素材そのものに親水性を持たせるなど、素材レベルでの改善が必要となりますが、一般的な登山ウェアは素材レベルでの改善を行うのではなく、通気性を備えることで、水蒸気を外に逃がしているものと思われます。

衣服内の湿度は、皮膚より蒸散される水蒸気と外へ放散される水蒸気によって決まるため、通気性があれば衣服内の蒸れ感は低減できるためです。

ただし、通気性があれば風を通すので保温性に欠けることになります。

※吸湿性と放湿性を向上させた「改質ナイロン」というものもあります。

一方、吸水性については先に述べたとおり、形状を工夫したり、後加工として親水性化合物を練り込むことでその機能を付与させています。

ただし、繊維自身の吸放湿性はほとんど向上しません。

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ポリウレタン

最近、色んなものに使われるようになりました。

ひと昔前では、そんなに聞いたことがなかった気がします。

登山用のズボン・パンツにはストレッチ性があると歩きやすいので、ほとんどの製品に使われています。

そう、ポリウレタンの一番の特徴はゴムのような伸縮性を持つ唯一の伸縮性繊維だからです。

軽量でシワになりにくい高い弾力性も併せ持っているため、綿やポリエステルなど伸縮性のない素材と組み合わせることで、伸縮性や弾力性を付与させています。

しかし、最大の弱点は、性質的に経年劣化が避けられず寿命は製造から約3年程度であることです。

特に、衣服に使われるポリウレタンは、それを着用することによって水分や大気ガス、熱、紫外線などの影響を受け、徐々に分解されてしまいます。このような現象を「経時劣化」と呼び、年間を通して着用されることが多いポリウレタンを使った衣類は、これらの物質による影響も多く受けてしまいます。ポリウレタンを使用していない衣類よりも寿命が短いという点は大きな弱点といえるでしょう。

また、温度や湿度の変化に対しても弱く、劣化が進みやすいという弱点もあります。

このように劣化を避け、ズボンを長く履き続けたいためには、ポリウレタンが織り込まれていない製品を選ぶことも考えられます。

まとめ

一般的に登山用ズボン・パンツの商品は、吸水性はうたわれていないと思います。

一番は、「動きやすいかどうか」だからです。

動きやすくするためにポリウレタンが織り込まれている商品がほとんどですが、長く履き続けたいのであれば「あえてポリウレタンを用いずにストレッチ性を確保したもの」を選ぶことをおススメします。

また、強度の強いものを求めるのなら、ナイロンとなります。

ナイロンでもポリエステルでも速乾性はありますが、吸水性・吸湿性を付与しているものは少ないのではと思っています。

よって、蒸れ防止のために大型のベンチレーションを持たせたものがおススメといえます。

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