7月中旬のある日、山登りをしていると2匹もの黒い蛇に遭遇しました。
(素早く逃げられ、写真は撮れませんでした)
あの黒い蛇は時々見かけ、その都度あの蛇は何なんだろうと思っていました。
見た感じはマムシでもないし、ヤマカガシでもないし、シマヘビでもない。
あれは一体何なんだ?
と思っていましたが、実はあの黒い蛇の正体は、
「マムシ」か「ヤマカガシ」か「シマヘビ」の可能性が大みたいです。なんだそれ!
日本で黒い蛇として認識されているものは3種類
真っ黒い蛇の正体は、黒化型といって本来の蛇の体色が変異して(体色変異といいます)、黒色に変化した蛇とのことです。
そして、日本で「黒い蛇」として認識されているものは「シマヘビ」、「ヤマカガシ」、「マムシ」の3種類だそうです。
だから、私が見かけた黒い蛇の正体は、この3つうちどれかということです。
でも、一瞬では見分けがつきません。
マムシはずんぐりしているのでなんとなく分かりそうですが、まず黒い蛇を見かけたら、毒ヘビの「マムシ」か「ヤマカガシ」の可能性があるので、近づいたり木の枝でつついたりしないほうが無難です。
シマヘビの黒化個体
シマヘビは無毒の蛇で、日本ではヤマカガシとともによく見られるヘビです。
通常は淡黄色の体色に、4本の黒い縦縞模様が入っているので、通常個体であれば一目で「シマヘビ」と分かります。
シマヘビは生息地域により、また個体によって体色変異が見られ、縦縞がまったくない個体もいるそうです。
黒化個体は日本各地で目撃され、いわば日本の「黒蛇」の代表格のような存在となっているみたい。
黒化個体は、真っ黒のほかにも、白い線やマダラ、ポツポツが混じったものもいるとのことで、まずそうなったら見分けつかないな、これは。
ヤマカガシの黒化個体
初めて知りましたが、ヤマカガシは体色変異が強いんですね。
多様な体色変異があり、赤の斑紋がない個体(赤ぬけ)や白黒の個体、黒一色の個体など様々あるみたいです。
黒化個体のヤマカガシの写真を見ましたが、シマヘビの黒化型とパッと見では見分けがつきません。
ちなみに、写真を載せようかと思いましたが、気持ち悪くなる人もいるかもしれないので止めときます。
画像を見たい人は、検索してみてください。
マムシの黒化個体
ずんぐりした体に三角形の頭。
マムシは特徴のある蛇なので見分けはつきそうですが、体が真っ黒だと、とっさにはマムシだと判らないかもしれません。
黒化型マムシには、マムシ特有の「銭型模様」さえも認められないからです。
山野で「黒い蛇」に出会ったとき、その体がずんぐりしていたらマムシかもしれませんので充分に注意してください。
最後に
真っ黒な蛇を見かけたら、無毒のシマヘビの可能性もありますが、ヤマカガシととっさに見分けがつかないものと思われますので、近づくことなくそっと立ち去るのが無難です。
ヤマカガシの毒性は、ハブの約10倍、マムシの3~4倍ともいわれているので注意が必要な蛇です。
「わ~い、へびだへびだ~。つんつん。」なんて枝でつんつんしないようにしましょう。
草地や草むら、沢筋、岩場など私たちがアウトドアを楽しむ自然の中にはたくさんの先住者がいることを忘れてはいけません。
私たち人間は、森で生きることを止め、街で暮らすことを選びました。
自然の中で生きている野生生物は、人間にとっての危険生物ではなく「先住者たち」という感覚を持ち、謙虚な気持ちで接するべきです。
それは、人間が先住者たちにとっての危険生物だからです。