ブナやミズナラの巨木に出会える山|尾根歩きで伝説の残る安蔵寺山登山

西中国山地国定公園の西端部に位置する安蔵寺山は、北東から南東方向の山稜ではなく、南北方向に山稜が形成されています。その尾根伝いに歩く登山ルートは全長5kmにも及び、安蔵寺山の原生的なブナ帯が広がる森を歩く代表的な登山コースです。

安蔵寺山の標高は1263mで、県境に接しない山としては島根県最高峰の山とよく言われますが、実際には寂地山から北西にある額々山(標高1278.9m)が島根県最高峰です。
安蔵寺山は2番目に高い山で、県境上にある山も含めると恐羅漢山、寂地山、旧羅漢山、額々山、猿政山に次いで6番目に高い山となります。
ちなみに、広島県で県境に接しない山の最高峰は、吉和冠山1338.9mです。

山名の由来は、頂上と中峰のコルにある寺屋敷に安蔵寺という寺があったという伝説からきています。
安蔵寺は、中世、平安末期に密教仏道の修業を行う寺とされていて、登山ルートのある3地域にはそれぞれに木仏像と伝説が残されています。

登山ルートのある3地域とは、吉賀町の高尻からのコース(山頂まで約2km、歩行時間約1時間30分)、益田市匹見町の伊源谷からのコース(山頂まで約3km、歩行時間約2時間)、津和野町奥谷からのコース(山頂まで約5.2km、歩行時間約2時間30分)です。

先に述べた尾根伝いのルートは、津和野町奥谷からのコースになります。それぞれの登山道は良く整備されていますが、やはり安蔵寺山の巨木に出会えるこの奥谷からのコースがおすすめです。
駐車場までの林道は未舗装で若干悪路なので注意が必要ですが、駐車場は広くトイレも完備されています。

安蔵寺山登山ルート図
地理院地図(ベースマップ)を元に当運営者が加工したもの

標高約800mから山頂にかけて広がるブナ林の中には、胸高直径1m以上のブナの巨木が多数見られ、登山道の途中には島根県最大のミズナラがあります。

幹回488m、幹高30mで「森の巨人たち100選」に選ばれています。この巨木を見ただけでも大きいなと思いましたが、広島の東郷山にある四本スギは幹回990cmなので、はるかに大きいことがわかります。

安蔵寺山のミズナラ巨木

新緑の時期に訪れると、より一層ブナの森を楽しめます。

安蔵寺山のブナの巨木

広島からだと、バスはないので自家用車で行くしかありません。

中国縦貫道六日市インターを降りて奥谷の駐車場まで約38km、約50分掛かります。

駐車場から林道を少し上がり、登山道へ入ります。

しばらくは急な上りですが、だんだんと快適な登山道へと変わっていきます。

新緑の安蔵寺山登山道

見上げると新緑の緑が本当に美しいです。

安蔵寺山の新緑

駐車場から約2時間30分で山頂に到着します。

山頂までには多くの小ピークがありますが、中峰と北峰はそこそこのピークなので、上り下り応えのある縦走路です。

中峰を超えた先にあるコルは、一部分が湿地になっておりコバイケイソウの群落が見られます。

また、山頂から少し南下すれば抜群の展望が楽しめる場所があります。

安蔵寺山山頂からの景色

吉賀町の高尻登山口には、「ゴギの郷ログハウス村」があり宿泊も可能です。夏は涼しく、川遊びも楽しめます。
また、少し下流にも「高尻川リバーサイドログハウス村」があり、こちらも川遊びが楽しめます。

なお、登山後は「木部谷温泉松之湯」に浸かっていただくことがおすすめです。

地中の炭酸ガスにより20分から30分間隔で、約2mの高さまで吹き上がる間欠泉も見られますが、お風呂が珍しいつくりになっており、両サイドにあるバルブでぬるめの源泉を流し入れたり、蒸気を出して湯の温度を上げるなど、自分好みの湯量と温度調節ができる珍しい構造です。ぜひ浸かってみてください。

雰囲気は抜群で、茶色に濁っている温泉の効能も高いみたいです。

※注意事項
登山ルート等の内容については、誤解や虚偽のないものであるよう努めていますが、経年変化や、災害による一時的な変化によって、記載された状況が変わっていたり、解釈に見解の相違が生じることがあります。山行の際には、ご自身でも最新の情報を収集してください。