登山を始めたい方や登山初心者の人におすすめしたい広島市の小さな山

広島市は中国四国地方最大の地方都市でありながら山地部が2/3近くを占め、三方から平地部を取り囲んでいます。

比較的急しゅんな大小の山が連なっていますが、太田川河口に形成された三角州、いわゆる広島市中心部を取り囲む山々は比較的小さな山です。

そんな小さな山々は、登山初心者の方にとっては気軽に登れるおすすめの山。
そして、登山を始めたい方や自然とふれあいたい方、親子で山登りしたい人にもおすすめです。

この記事では、そんな気軽で楽に登れる小さな11名山をご紹介します。

広島市おすすめしたい山の位置図
地理院地図(ベースマップ)を元に運営者が作成
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1.鈴ヶ峰(標高312m)

西区と佐伯区の境界にあるで、南側の井口台から登るコースが一般的です。

山頂からは360°の大展望が望めるとよく紹介されていますが、せいぜい180°程度かな。

広島湾側の展望に優れていますが、樹木の成長により年々その範囲が狭まっている印象です。

電車やバスでのアクセスに優れているので、アプローチしやすいのも魅力の一つといえます。

代表的な登山口は井口台の「鈴が峰憩いの森」。ここから30分も登れば山頂に立てます。

なお、登山口に駐車場・トイレはありません。

鈴ヶ峰山頂からの眺望

2.鬼ヶ城山(標高282.4m)

こちらも西区と佐伯区の境界にあるで、佐伯区側の美鈴が丘団地から登れば15分程度で山頂に着きます。

山頂からの眺望も素晴らしいですが、山頂手前にある八畳岩と呼ばれる場所からの眺望はさらに素晴らしいです。

山に登った感はまったく得られませんし、わざわざバスに乗っていくほどの山とは思いませんが、八畳岩は気分転換や考え事、ボーっとするにはもってこいの場所です。また、小さなお子さん連れの山登りにもってこいの山です。

山頂付近に巨石が点在するため、山名に鬼がついている?のかよくわかりませんが、鬼ヶ城と名の付く山は全国の至るところにあります。

登山口は、美鈴が丘南第5公園です。駐車場はありませんが、トイレがあります。

鬼ヶ城山山頂からの眺望
鬼ヶ城山登山ルート図
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3.三滝山(標高356m)

西区と安佐南区の境界にあるで、別名宗箇山と呼びます。

江戸時代の広島藩家老であった上田宗箇が、広島城内の茶屋からの借景としてこの山の頂に赤松を植えたことが宗箇山の由来です。

三滝の由来となった3つの滝があり、深山幽谷の風情がある三瀧寺から登るルートが一般的で、そこそこ登山した感が味わえます。

山頂からの広島市街地の景色は素晴らしく、いい森も広がっていますので一番おすすめしたい山です。

登山・森林浴・古寺と三拍子揃った場所であると思います。

また、電車やバスでのアクセスも優れているのも魅力の一つ。

三瀧寺に駐車場はありますが、参拝者用なので登山者は停めてはいけません。マナーとルールは守りましょう。たった一人の行動が登山者全体の印象を悪くします。

なお、トイレは三瀧寺内にあります。参拝料200円を払ってお参りしましょう。

三滝山山頂からの眺望

4.カガラ山(標高212m)

安佐南区にあるです。国土地理院地図にはその山名は記載されていませんが、カガラ山又はガガラ山とも呼ばれています。

標高が低いわりには眺望に優れ、登山口からも30分程度で登れます。

こちらも山に登った感はまったく得られませんが、爽快な気分が味わえ、のんびりしたいときにもおすすめです。

小さなお子さん連れにはもってこいの山ですが、登山口に駐車場・トイレがないのが残念な点です。

ただ、電車やバスでのアクセスが優れています。一般的な登山口は大町団地にある武田山登山口です。

カガラ山山頂からの眺望
カガラ山登山ルート図

5.緑井権現山(標高396.8m)

安佐南区にあるで、福徳除災の神である毘沙門天をご本尊とする毘沙門堂から登ります。

JRやアストラムラインの駅から少し離れていますが、昔ながらの毘沙門天参道を歩くのもいいです。

かつては多くの参拝者が歩いたであろう道を今の時代に生きる我々が歩くのもなかなか乙なものです。

中腹にある里見の岩と呼ばれる場所からの眺望は素晴らしく、また山頂手前にある展望所からの眺望もさらに素晴らしいものがあります。

毘沙門堂は見どころも多いため、参拝プラス登山と考えたほうがいいかもしれません。

ゆっくり見ながら登っても、山門から1時間程度で山頂に立てます。

また、山頂から阿武山までは綺麗なハイキングルートとなっていますので、鳥越峠あたりまで歩くと自然を満喫できた感があります。なかなかいい森が広がっていますのでおすすめです。

緑井権現山山頂からの眺望

6.高松山(標高338.7m)

安佐北区にあるで、中世の武将である熊谷氏が山城を築いたとされる歴史のある山です。それゆえ傾斜もきつく登りごたえのある山といえます。

山頂近くには、本丸・二の丸・三の丸など7つの郭があったとのこと。根の谷川から見上げると山腹が階段状に見え、本丸・二の丸・三の丸跡がなんとなくわかります。

また、毎年5月下旬に約200年もの長い歴史がある「大文字まつり」が開催されます。この高松山の中腹に大きな「大」の字が浮かび上がり、地域の風物詩となっています。

代表的な登山口はJR可部駅から歩くこと約20分、根の谷川沿いの案内看板がある場所です。この登山口から50分程度で山頂に立てます。

登りごたえのある山なので山に登った感があり、山頂は広く開かれ眺めも素晴らしいです。

高松山登山道から振り返った景色

歴史的な背景を事前に調べて登ると、一層面白い山であるといえます。

なお、災害によって登山道が変わっている可能性があります。最新の情報を入手してください。

高松山登山ルート図

7.松笠山(標高374.3m)

東区にあるで、古くから地域の人々に親しまれてきた山です。中腹には、戸坂入道道海によって開基されたといわれる松笠観音寺があります。

その参詣道起点は、代表的な登山口の龍泉寺で、そこから谷間を進むと秘境の琴比羅神社瀧の宮があります。

空気感がゴロっと変わり、聖域に入った感が半端ないです。

そこから登山道を登るとお寺が現れます。お寺にきらびやかなものは何もありませんが、参詣道を歩くと先人たちが遺した思いが残っているかのような不思議な感覚に陥ります。

寺の裏には神社があるため神仏習合的な場所です。また、境内には弘法大師が修行の際に掘られたとされる井戸があり、名水「龍水の池」と呼ばれています。

山頂の展望はあまりよくありません(八畳岩と呼ばれる場所からの展望は良い)が、先人たちに思いをはせながら山に登ると、一味違った山歩きとなる不思議な山です。

また、山全体が静寂に包まれているかのような静けさを兼ね合わせ、尾根上に広がるいい森も魅力の一つです。

登山口はJR戸坂駅からすぐなので、それもまた魅力の一つとなっています。

三滝山とは違う良さがある山で、私の好きな山の一つです。

松笠山八畳岩からの眺望
八畳岩から

8.牛田山(標高260.7m)

東区にあるで、山頂はかつての戸坂城の跡で山頂直下には貝塚があります。

カキやハマグリの貝殻以外にも巴形銅器が出土しています。

頂上からは南側の広島湾の展望が優れ、北側も少し展望があります。

東区の戸坂から登ればすぐなので、アクセスのいい牛田の総合公園から登られることをおすすめします。

ここからだと1時間30分程度で山頂に立てると思います。

牛田山山頂からの眺望

9.二葉山(標高139m)

東区にあるで、広島駅の北口にある東照宮の裏手にある金光稲荷神社から登ります。

一帯は、ドングリの中で最も美味しいとされているシリブカガシの日本最大級の森で、秋にはドングリ拾いで賑わいます。

稲荷神社の鳥居が連続する道を上ると奥宮に着き、ここからの眺望は圧巻で近代的な街へと発展した広島の街が一望です。

ここから少し登り東へ進むと、周辺からよく見える仏舎利塔がある広場に到着し、ここが山頂です。

ここからの眺めも素晴らしいですが、車でも来られ人工物も多いせいか山に登った感はまったく得られません。

自然に親しむ感じも得られないので、観光に来たと割り切ったほうがいいのかもしれません。

二葉山山頂からの眺望

二葉山登山ルート図

もっと自然の中を歩きたいのであれば「饒津口」から登ります。明星院横の道を通り、グランド裏から登ります。「広島駅からすぐの場所でこんな自然が残っているなんて」と誰もが思うことでしょう。ここから登っても金光稲荷神社奥宮へは行けます。

10.安芸小富士(標高277.8m)

広島湾に浮かぶ南区似島にあるで、本土から眺めると富士山のような形をしています。まさしく、小さな富士山です。

広島港から船に乗って行く必要があるので、気軽には行けないかもしれませんが、いつもと違う方向からの山頂からの眺めは飽きることがありません。

似島港から2時間もあれば往復できるので、似島の街なかを散歩してもいいかもしれません。

「戦争の島」とも呼ばれていますが、のんびりとした空気が漂う島となっています。

広島港から20分で似島港に到着です。片道大人450円。

安芸小富士山登山ルート図

11.岩滝山(標高192m)

安芸区にあるで、観音道場相応の霊地とされ、古くから信仰の山として人々に親しまれている山です。

麓には岩瀧神社があり、山中には船越観音豊稔寺奥の院があります。

岩瀧神社は、826年にはすでに創建されていたとの云われがあり、歴史の古い神社です。

岩瀧神社のトイレ横から登り、分岐を左に進むと展望台、鐘楼を経て奥の院に到着します。

さらに少し登ると眺望に優れた三角点のある広場に到着します。三角点がある広場からは少しだけ眺望があります。その先へと少しだけ下り岩場へ出ると、海田湾や黄金山を見渡せなかなかの景色です。足がすくむほど。山頂は眺望がよくないので、こちらを目的地とするといいです。

岩滝山

JR海田市駅から歩いて行けます。駅から約1時間で山頂です。

また、広島市と海田町の境界にある日浦山もおすすめの小さな山です。

岩滝山登山ルート図

※注意事項
登山ルートに係る内容などについては、誤解や虚偽のないものであるよう努めていますが、経年変化や、災害による一時的な変化によって、記載された状況が変わっていたり、解釈に見解の相違が生じることがあります。山行や紹介地を訪れる際には、ご自身でも最新の情報を収集してください。本サイトを利用して生じた損失や不都合などについては責任を負いかねます。
記事内の地図は地理院地図(ベースマップ)を元に当運営者が作成したものです。

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