ミヤマキリシマが咲き誇る平治岳と大船山へ登る

6月初旬、ある山の山肌がピンク色に染まり、多くの登山者の目が奪われます。そう、ミヤマキリシマが咲き誇っているのです。

ミヤマキリシマが咲く平治岳の山肌

そんなミヤマキリシマが山肌を染めているのは平治岳(ひいじだけ)と呼ばれる山。大分県の竹田市にあって九重連山の一つです。山群には「九重」と「久住」の二つの表記がありますが、登山界では九重山が山群の総称で、久住山を主峰の名としています。

九重連山で人気が高く、多くの登山者が訪れているのは久住山(1786.5m)と中岳(1791m)です。久住山は百名山で、山頂からの眺望が連山の中で一番といわれています。また、中岳は九州本土最高峰の山なので人気なのもうなずけます。あとは三百名山の大船山(1786.3m)も多くの登山者が訪れています。

どちらかというと平治岳はマイナーな山。普段登る人はそれほど多くありませんが、このミヤマキリシマが咲く時期になると超がいくつも付くくらい人気の山になります。登りと下りのルートを分けていますが、大渋滞でなかなか進めません。

そんな感じなので平治岳に登るには時間が掛かります。また、花をめでながらなので余計に時間が掛かります。なので、一日に登る山はこの山だけにしたほうが無難です。よく行って大船山(たいせんざん)をくっつける程度に留めるべき。ピークハントというよりは、花を見ながらのんびり散策との心持ちが丁度いいです。久住山と中岳も登りたいのであれば二日目などに計画しましょう。

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登山口とアクセス

九重連山の登山口はたくさんありますが、平治岳のみ、あるいは平治岳と大船山であれば、男池の登山口から登るのがいいです。平治岳と大船山の分岐がある大戸越(うとんごし)までのコースタイムは2時間10分です。なお、大船山へ登っても帰りは大戸越まで戻ってきた方が無難です。一度、風穴方面へ降りましたが、男池まで戻るのにかなりの時間が掛かりました。

テント泊をするのであれば、長者原から登るほうがいいです。朝早い時間に長者原を出発すれば、坊ガツルにテントを張り身軽な状態で平治岳と大船山に登れ、二日目に久住山と中岳へ登ることが可能です。まあ、二日目に登る山によるのかもしれません。長者原から雨ヶ池を超えて大戸越までのコースタイムは2時間50分です。

男池も長者原も大きな駐車場があり、アクセスはやはりマイカーが便利ですが、停める場所がないくらいのときもあります。トイレもあるので安心ですが、男池に入るには清掃協力金(100円)が必要ですので必ず払いましょう。

バスで行く場合も、長者原にバス停があるので行くことは可能です。九重町のコミュニティバスが豊後中村駅から、亀の井バスの牧ノ戸峠線(土日のみ)が由布院駅前バスセンターから、産交バスの九州横断バス(予約必要)が熊本駅や別府駅から出ています。

長者原から法華院温泉山荘までのコースタイムは、雨ヶ池越で2時間です。昼過ぎて長者原を出発しても夕方までには山荘に着きます。

ただ男池までのバスはありませんので、タクシー利用か送迎付きの長者原付近の宿に前泊するしかありません。

平治岳・大船山アクセス図

平治岳・大船山登山ルート

先に述べたように、平治岳のみであれば男池から登ります。男池からソババッケを右に折れ、大戸越まで2時間10分、大戸越から平治岳山頂まで30分のコースタイムです。帰路は来た道をそのまま帰ります。山頂から大戸越まで20分、大戸越から男池まで1時間50分のコースタイムです。ただし、ミヤマキリシマの時期は多くの登山者が訪れているのでコースタイムどおりに歩けません(特に大戸越~平治岳)。余裕を持った計画を立てましょう。

平治岳・大船山ルート図

平治岳の南峰周辺や山頂付近は散策できますので、ミヤマキリシマのベストショットを撮影しに散策してみましょう。特に南峰から山頂方面が綺麗です。

平治岳南峰から平治岳山頂

そして、山頂まで登り西尾根を下ると三俣山や久住山といった九重連山が一望で、それらを背景にすると何とも言えない風景を醸し出しています。あと欲しいのは青空ですが、梅雨時期ということもありなかなか難しいです。

平治岳山頂のミヤマキリシマ

なお、時期が時期だけに足場はぬかるんで滑りやすいです。ズボンの裾も汚れやすいので気になる方はスパッツを忘れずに。また、外れ年もあるので開花状況を含めて情報をこまめにチェックするといいです。

平治岳から九重連山
外れ年のミヤマキリシマ

大船山に登るときは、大戸越から登ります。北大船山を経由して段原(だんばる)の分岐を直進すると1時間20分のコースタイムで山頂に立てます。

ミヤマキリシマ大船山と段原
多くの人がいる段原と大船山
北大船山と米窪
大船山に登る途中、振り返ると北大船山と米窪が見える

北大船山付近もなかなか綺麗に咲いているので、ここまで来て折り返してもいいです。

北大船山からミヤマキリシマ
北大船山付近から。やはり青空が映える
三俣山と久住山
北大船山付近から三俣山方面を望む

帰りは大戸越まで戻ります。コースタイムは55分ですが、こちらもミヤマキリシマの時期はコースタイムどおりに歩けません。

平治岳
大戸越へ向けて下る途中に見える平治岳

風穴(ふうけつ)方面に下りソババッケに戻るルートもありますが、ソババッケまで2時間30分のコースタイムでかなり時間が掛かります。ただ、九重唯一の原生林に覆われているので雰囲気はあります。

長者原からは雨ヶ池越ルートのほかにすがもり越ルートもありますが、こちらは大戸越まで3時間50分のコースタイムなので現実的ではありません。法華院温泉山荘に泊まる場合でも雨ヶ池越のほうがコースタイムは短いです。

大船山から坊がつるや法華院温泉山荘に戻る場合は、大戸越まで戻らずに段原(だんばる)の分岐点を左に進めば坊がつるです。

※注意事項
登山ルート等の内容については、誤解や虚偽のないものであるよう努めていますが、経年変化や、災害による一時的な変化によって、記載された状況が変わっていたり、解釈に見解の相違が生じていたりすることがあります。山行の際には、ご自身でも最新の情報を収集してください。

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